木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講義レジュメ集「農地の貸与の問題について」(民法)生計の基本の具体例

木村峻郎弁護士作成!講義レジュメ 
法律監修 アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

テーマ”農地の貸与の問題について”
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アイランド新宿法律事務所
弁護士 木村 峻郎

【事例】

(図1)

第1.農地の貸与の問題

Aは昭和30年頃、自己所有の農地を近隣のXに「使用料を1ケ月1千円」で貸与したが、その後増額され現在は1ケ月1万円の支払を受けている。しかし、Aは高齢なため近い将来に相続が発生することに備え、Bとの土地利用契約を解除することを考えている。 この場合の法律関係について正しいものには印を、誤りには×印をつけて下さい。

(   )1. Bが有する土地利用権は、
      ① 永小作権(民法270条)、
      ② 農地法の賃借権(民法601条、同604条、農地法19 条)、及び
      ③ 使用借権(民法593条)
       の三種類が考えられる。

(  )2. Xの土地利用権が使用借権であれば、特別の場合を除いてはAは何時でもXとの契約を解除することができる。

( )3. AがXが支払を受けていた月額1万円が固定資産税額に満たないときは使用貸借と認定される場合が多い。

<参考条文>
民法第270条(永小作権の内容)
永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。

民法第593条(使用貸借)
使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

民法第601条(賃貸借)
賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

民法第604条(賃貸借の存続期間)
賃貸借の存続期間は、20年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、20年とする。
2. 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から20年を超えることができない。

農地法第19条(農地又は採草放牧地の賃貸借の存続期間)
農地又は採草放牧地の賃貸借についての民法第六百四条(賃貸借の存続期間)の規定の適用については、同条中「20年」とあるのは、「50年」とする。

2.生計の資本の具体例

<肯定例>
① 被相続人Aの遺産である土地を、その息子Bがアパート経営のために無償で使用していたという事案。Bは被相続人からアパート経営のため、遺産である土地の使用貸借権をAから生前に与えられていた。この使用貸借権の贈与は「生計の資本」に当たるとされた。
② 被相続人Aは、建築会社Bの代表取締役であり、Cから建物の改築を頼まれた。そこで、AはB社に200万円で建設をさせたが、Cは40万円しか払わず、残りの160万円はAが B社に支払ったという事案。
この場合、CはAから生計の資本として160万円の特別受益があるとされた。
③ 被相続人Aは、Bに対して約2年の間に「毎月2万円から 25万円の送金をしていた」という事案。
遺産の総額やAの収入状況にもよるが、通常の会社員であれば「1月に10万円」を超える送金は生計資本としての贈与であるとされた。

第2.貸与した農地の明渡の問題

【事例】
Aは昭和30年頃、自己所有の農地(約300坪)を近隣で農業を営むXに「使用料を1ケ月1千円」で貸与したが、その後漸次増額され、現在はXに対し1ケ月1万円の支払を受けている。 しかし、Aは高齢なため近い将来に相続が発生することに備え、 Xとの土地利用契約を解除することを考えている。この場合の法律関係はどうなるか。正しいものには印を、誤りには×印を記載して下さい。

(  ) 3. Xの土地利用権が借主が使用料の支払をしない使用貸借契約に基づく利用権であれば、期間や使用目的を定めていないため、Aは
何時でもXとの契約を解除することができる。

第3 遺留分減殺請求権者への対応
・他の相続人(乙)より遺留分減殺請求権を行使された相続人(甲)の対応の仕方

【事例】
1)被相続人Aの相続人は長男甲と次男乙の2人である。Aは乙の居住用自宅建物が建築されている敷地(時価3千万円)を含め、土地や預金等合
計約5億円の相続財産を遺して他界した。
2)しかし、Aは「全財産は長男甲に相続させる」旨の遺言をしていたことから甲は乙より遺留分減殺請求権を行使された。
3)なお、甲は納税資金が無いため相続した土地の一部を物納するか、それとも他に売却することを検討している。この場合、甲はどのような
対応をすればよいか。

・乙の相続土地上の借地権
乙の有する相続土地上の借地権は「被相続人Aとの使用貸借契約に基づく権利」である。そこで、民法599条の規定によれば「将来乙が死亡すれば借地権は原則として消滅し、 乙の相続人は建物を取壊のうえ、土地を甲に明け渡さなければならない」ことになる。そのため、この点が乙の最大の弱点になるため、甲はこの点を突いて交渉を有利に進める。

<参考条文>
民法第599条(借主の死亡による使用貸借の終了)
使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。

第4 特定の相続人を優遇する

1. 遺留分減殺請求権者への対応
・他の相続人(乙)より遺留分減殺請求権を行使された相続人(甲)の対応の仕方

【事例】
1) 被相続人Aの相続人は長男甲と次男乙の2人である。Aは乙の居住用自宅建物が建築されている敷地(時価3千万円)を含め、土地や預金等合
計約5億円の相続財産を遺して他界した。

2)しかし、Aは「全財産は長男甲に相続させる」旨の遺言をしていたことから甲は乙より遺留分減殺請求権を行使された。

3)なお、甲は納税資金が無いため相続した土地の一部を物納するか、それとも他に売却することを検討している。この場合、甲はどのような対応をすればよいか。

・乙の相続土地上の借地権
乙の有する相続土地上の借地権は「被相続人Aとの使用貸借契約に基づく権利」である。そこで、民法599条の規定によれば 「将来乙が死亡すれば借地権は原則として消滅し、乙の相続人は建物を取壊のうえ、土地を甲に明け渡さなければならない」ことになる。そのため、この点が乙の最大の弱点になるため、甲はこの点を突いて交渉を有利に進める。

(PDF)講義レジェメ715監修アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)
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