木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講義レジュメ集「弁護士から見た有利な相続-遺留分の放棄及び遺言信託-」(民法)遺言書作成のポイント

木村峻郎弁護士作成!講義レジェメ集 
法律監修: アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

テーマ 弁護士から見た有利な相続~遺留分の放棄及び遺言信託~
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アイランド新宿法律事務所
弁護士 木村 峻郎
弁護士 村松 宏樹

第1 総論 
・有利な相続とは?
① 相続人間の紛争を未然に防止する。
② 特定の相続人の利益を確保する。
③ 相続税の支払を軽減する。 
④ 相続債務の支払を軽減する。 etc.

第2 相続人間の紛争防止=遺言書の活用
1.遺言書作成のポイント
① =遺留分への配慮
・遺留分への配慮が紛争防止の最大のポイント!
※遺留分とは?
既にレジュメを配布し説明をしてありますが、憶えておられますか?

・遺留分減殺請求権が行使されたときに生じる不利益の具体例
※遺留分権利者は相続不動産の全てに、遺留分割合に応じた自己の権利(共同所有権)を有している。
 そのため
① 不動産売却が出来ないため、相続税の支払が困難となる。
② 相続税の支払のために行う物納も出来ないことになる。etc.

2.遺言書の作成のポイント
② =紛争の防止のテクニック
1)例えば紛争防止のためには、遺留分価格に相当する、必要性の低い土地を相続させることも已むを得ないと考えたとき。
           ↓
  「Bが遺留分減殺請求権を行使した場合には、後記土地をBに相続させる。」旨の条項を遺言書に規定する。

2)被相続人が会社を経営している場合「議決権がない株式」を発行して、「議決権がある株式を長男Aに、議決権のない株式を次男Bに相
続させる」旨の遺言書を作成する。

3)生命保険契約の利用
被相続人甲が生命保険会社と契約し、生命保険金の受取人は「介護に努めた長男Aとする」という内容にする。なお、生命保険に
つき裁判所は税務署と異なり相続財産ではないとしている。etc.

第3 「被相続人の介護に努めた相続人」の寄与分

1)被相続人の療養看護に努め、或いは被相続人の資産形成に協力した相続人は「寄与分を取得することが出来る」ので、相続において有
利に取扱われる。
            ↓
しかし「寄与分として取得できる金額がいくらであるのか」その金額について相続人間に争いが生じ、長期間の裁判を強いられる。
そのため、相続人Aが寄与分として取得する金額を、予め被相続人甲との契約等により、明確に定めておくことが、相続人Aに有利とな
るとともに無用な紛争を防止できる。

2)療養看護に関する契約書の作成
 被相続人甲の長男A夫婦は「長年にわたり両親甲、乙と同居し、その介護に努めてきた」場合、遺言書で寄与分を定めることの他、
更に「生前に甲、乙とAとの間で、介護契約書を作成し、例えば以下の内容の契約書を作成する」ことが効果的な場合がある。

【介護契約の例】
第1条 介護契約者長男Aは父甲、母乙と同居し、その介護に努める。
第2条 甲(又は乙)はAに対し、報酬として1ヶ月金60万円を3条の規定に従い支払う。
第3条 前条の報酬は、甲(又は乙)が死亡したときに、甲又は乙の所有する財産が残存していることを条件に、Aが優先的に弁済を受ける。

※長男Aと父甲、長男Aと母乙との契約を別々に行う。

第4 遺留分の放棄

<参考条文>
民法第1043条 
1. 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を得たときに限り、その効力を生じる。
2. 共同相続人の1人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。

・遺留分の放棄は
① 相続開始前に②相続人が③家庭裁判所の許可を得て行う。
     ↓
1)遺留分放棄の効果

2)例えば相続人Bが遺留分の放棄を行うと、「Aに全財産を相続させ、Bには何も相続させない」旨の遺言書の作成がされれば、
   Bは遺留分がないため、全く遺産を取得することができなくなる。

3)遺留分を放棄しても遺言書がなければ、遺留分を放棄した者も法定相続分に従った相続をすることができる。
  ※遺留分を放棄しなくても相続人が相続開始後に相続を望まない場合には「相続 放棄」をすれば足りる。

4)実務の運用
   家庭裁判所は厳格な要件を定め、遺留分放棄を簡単には認めない。例えば、相続分に相当する財産を既に交付する等の場合に、
   家庭裁判所は許可をする。

第5 誰に遺言書の作成を依頼するか=信託銀行が行う「遺言信託」

1.信託銀行の行う「遺言信託」の内容
① 公正証書遺言を行うため、公証人との連絡及び公証人役場まで同行。
② 作成された公正証書遺言の保管、相続発生時に各相続人に送付。
③ 相続開始後、a)税務申告のため税理士に依頼する。
       b)税務申告に必要な土地の測量を、測量士に依頼する。
        c)相続不動産の相続登記を司法書士に依頼する。

2.信託銀行が行なった遺言執行業務に対する報酬額の例
※金額に差異がある場合もあります。債権する等には必要金額を確定して下さい。
※相続財産が1億円のときは、「報酬金額は183万7,500円」。
※相続財産が5億円のときは、「報酬金額は509万2,500円」。
※相続財産が10億円のときは、「報酬金額は729万7,500円」。

3.遺言信託会社が行う遺言執行業務の問題点
1)遺言信託会社の担当者は、被相続人や親族との交流が少ないため、例えば「特別受益」を見落としてない。個人的事情は必ずしも十分に
理解していないため、遺言書の内容も遺留分の侵害につき十分に考慮しない「個別的事業を考慮しない形式的業務なもの」になる可能性が
ある。

2)遺言信託会社は遺言書を作成後相続が発生するまでの間、被相続人やその親族との連絡関係が極めて不十分であり、遺言作成後の
相続財産の売却等、財産の変動を正確に把握できない。そのため、各相続人間の利益調整を迅速に行い、紛争防止に努めることが困難に
なる場合も少ない。

3)又、遺言信託会社が、相続税の税務申告手続等自ら行うことが出来ないため、税理士に依頼をする、そして不動産の相続登記は、
司法書士 に対し、相続人自身が遺言信託会社とは別に依頼する。そのため、相続人は遺言信託会社に対して支払う報酬とは別に、
  税理士や司法書士に対しても報酬の支払をしなければならないことになる。

4)相続人間の意見が対立し、遺産分割協議が成立しないときでも、遺言信託会社が弁護士に依頼し、相続人間の紛争を解決することは
行わない。そのため、各相続人が自分で弁護士を探して依頼し、遺産分割協議を行うため、信託銀行の法的対応は極めて不十分なもの
と言わざるを得ない。

(PDF)講義レジェメ91009監修アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)
(PDF)講義レジェメ91009監修アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎

法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

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