木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講義レジュメ集「税理士が巻き込まれる法務トラブル‐その実態と回避法‐その2」(民法)死亡退職金の取り扱い

木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集 
法律監修;アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

テーマ 税理士が巻き込まれる法務トラブル‐その実態と回避法‐ その2
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講師
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

第4 死亡退職金の取扱
(1)税務署=みなし相続財産として課税財産となる。 (但し、相続人1人につき、500万円の非課税額がある。)
(2)裁判所=「退職金支給規定により定められた受給権者(例えば配偶者)の固有の権利になる」ので、相続財産にはならない。

※参考
 A社には、「従業員(B)が死亡した場合、死亡退職金は配偶者(C)に支払う」という退職金支給規定がある。この場合、CがA社から支払を受ける退職金は相続財産とはならない。
 しかし、退職金支給規定で「BがDと内縁関係にある場合には、配偶者(C)と内縁者Dに各2分の1に支払う」という規定を設けている場合もあるが、その場合にはC・Dには各2分の1の固有権が認められる。

 例えば被相続人Aが所有していた自宅不動産は、限定承認をした相続人Bが所有することを希望する場合が少なくない。そこでこの場合、限定承認をした相続人Bに先買権が認められている(民法932条)。

 2)先買権行使の方法
 ① 限定承認をした相続人は、裁判所に「先買権を行使して、被相続人の所有する遺産を取得する」ことを理由に鑑定人選任の申立をする。
       ↓
 ② 鑑定人が鑑定を行い、評価額を決定する。
       ↓
 ③ 鑑定人が行った②の鑑定評価額の金銭を、不動産を取得する限定承認者が支払う。相続人が当該不動産を取得する。

4.税務署の「限定承認を利用した相続人」の取扱例
 ※被相続人の所有していた自宅不動産
  家庭裁判所が限定承認を認めると、その時点で「相続した不動産が売却されたものとして取扱われ、みなし譲渡による課税処分の通知を受
  けることとなる。限定承認をした相続人は、相続財産の限度で納めれば足りる。

<参照条文>
民法932条(弁済のための相続財産の換価)
前3条の規定に従って弁済をするにつき相続財産を売却する必要があるときは、限定承認者は、これを競売に付さなければならない。ただし、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従い相続財産の全額又は一部の価額を弁済して、その競売を止めることができる。

※債権者全員の同意を得て価額弁済を行う。

※限定承認の方法
1)相続人が数人あるときは、共同相続人の全員の共同でなければ限定承認をすることはできない(民法923条)。その相続分についての清算  手続が非常に複雑になるからである。従って、共同相続人の1人が単純承認の意思を表示したときは、他の相続人は限定承認をすることが  できない。

2)熟慮期間は相続人によって異なり、一部の相続人Bの熟慮期間が満了して単純承認とみなされる場合でも、他の相続人CDの熟慮期間が経過 していない限り、Bを含めた全員で限定承認することは妨げない(通説)。限定承認を希望する相続人CDの保護のためである。

3)一部の相続人が相続放棄を行った場合、他の相続人が限定承認することはできる。「相続を放棄した相続人は、当初から相続人でない」と みなされるから(民法939条)、放棄者を除く相続人全員で限定承認しても、相続関係は複雑にならないというのがその理由である。

4)相続人が限定承認をしようとするときは、自分のために相続の開始があったことを知った時から3ケ月以内に財産目録を作成して、これを  家庭裁判所に提出し、限定承認する旨の申述をしなければならない(民法924条)。限定承認は相続債権者や受遺者に影響するところが大  きいから、一定の方式を要求したのである。

第3 養子縁組による「相続人の増加」
  被相続人Aが長男Bの妻C及び孫D・EとAが養子縁組をした場合、次男Xの相続分の取扱。

(図1)

(1)税務署=被相続人AがCDEの3名と各養子縁組をした場合でも、基礎控除の計算においては実子Bと養子1人分のみを算入することしか認めら  れていない(相続税法15条2項)。
(2)裁判所=相続目的から養子縁組をすることは可能であり、その人数も問わない。
         ↓
  前記事例AがCDEの3名と養子縁組をすれば、相続人はBCDEXの5名になるため、 Xの法定相続分は 5分の1に減少してしまう。

<最高裁判所の判例>
養子縁組において、被相続人と被上告人Dとの間に親子としての精神的なつながりをつくる意思を認めることができる。従って、本件養子縁組が被相続人の遺産に対する上告人Xの相続分を減少して孫の被上告人DEらにこれを取得せしめる意思が被相続人にあると同時に、被相続人と被上告人DEらとの間に真実養親子関係を成立せしめる意思も十分であったと判断している。

「その3税理士が巻き込まれる法務トラブル‐その実態と回避法‐」へ続く

法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

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