木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講義レジュメ集(民法)「遺産分割における税理士の盲点」税理士過誤

木村峻郎弁護士作成!講演レジュメ集
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

テーマ「遺産分割における税理士の盲点」

アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎
弁護士 村松 宏樹

第1 民法における遺留分の規定に関する理解
以下の各問につき、試しに解いてみませんか。

(図1)

問1.遺留分とは何か。又、民法で「相続人」と規定されていながら、「遺留分権利者ではない」と規定されている者は誰か。

問2.遺留分を行使するためには、遺留分を侵害している者に対して遺留分減殺請求の通知をしなければならないことになっているが、それ    は何時までに行わなければならないか。

※被相続人Aの相続が発生したが「長男Bが遺産の全てを相続する」というAの公正証書遺言が作成されていた。しかし、長男Bは他の相続人   C・Dには何も連絡をせずに5年間を経過させた。この場合でもC・Dは遺留分減殺請求権を行使することは出来るか。

問3.被相続人Aが他界して3ヶ月が経過したとき、Aは「賃貸マンションを長男Bに相続させる」旨の遺言をしていたが、それは二男Cの遺留分6 分の1)を侵害していることが判明した。当該マンションの賃料収入が1ヶ月500万円である場合、Aから相談を受けた税理士Xは、どの様に対 応したら良いか。

問4.被相続人Aの遺産分割協議において、税理士Xは長男Bと相談し「Bの意向に沿った遺産分割協議書案を作成」し、他の相続人C・Dに遺産分 割協議書への押印を要求したところ、Cの代理人弁護士が税理士Xに対し「弁護士法違反であることを理由に辞任を要求し、今後相続税の税 務申告手続に関与したときは法的手段をとる」旨を通知してきた。税理士Xはどう対応すべきか。

問5.被相続人Aの遺産分割協議案を作成した税理士Xは「長男Bが10年前に約1億円の自宅不動産をAに購入して貰っていたことや、Cが5年前に 結婚をした際に5千万円の持参金をAから貰っていたこと」を聞いていたが、遺産分割協議案はB・C・Dが各平等で遺産を相続する内容にし て、B・C・Dの了解を得た。ところがその後Dの代理人弁護士が、当該協議案はDの権利を無視したもので「税理士過誤である」としてXの責任 を追及してきた。この場合、税理士Xはどの様に対応したら良いか。

第2 遺留分

1.遺留分とは?
① 遺留分 = 相続人から請求があれば、必ずその相続人に取得させなければならない遺産のこと。
② 遺留分の割合 = ㋑ 自己の法定相続分の2分の1
(民法1028条2号)
㋺ 但し、直系尊属だけが相続人になる場合、

自己の法定相続分の3分の1
(民法1028条1号)
※「兄弟姉妹には遺留分はない」ことに留意。

2.相続分や遺留分算定の基礎となる「遺産総額」の算出方法の留意点
(民法1029条以下)
相続分や遺留分を定める遺産総額の算出方法
死亡時の財産+相続人が受けた贈与(生前贈与)-負債
=遺産総額

第3 複数の相続人が賃貸物件を相続する場合
相続開始後、遺産分割協議が成立するまでの間に、相続人Bが借主Yから支払を受けた賃料収入は法律上どの様に処理されるか。

・相続開始後遺産分割協議成立までの賃料収入の取扱い

(図2)

第4 税理士過誤について(その1)
1.遺産分割における税理士過誤の態様
① 受任事務の範囲を明確にしていなかったため生じる紛争
② 過少申告・過大申告に起因する加算税・延滞税の負担

<参考>
大阪高裁判 平成10・3・13
~税理士の納税者に対する説明は、「基本通達に反する確定申告をした場合に、その主張が認められるという印象を与えるものであり、最終的に更生処分が取り消されることなく、更生された本税以外に過少申告加算税、延滞税も支払わなければならない事態となる恐れがあることの説明が十分でなかったというのであるから、債務不履行責任を免れるものではない」とされた事例。

2.税理士損害賠償保険の注意すべき適用要件
① 業務遂行にあたり、業務執行に関する記録を備えておかなければ、保険金の支払は受けることができない。
② 過少申告、不納付により賦課される加算税は保険の適用外であり、保険金の支払を受けることができない。etc.

<参照条文>
1)民法1028条(遺留分)
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
① 直系尊属のみが相続人である場合、被相続人の財産の3分の1
② 前号に掲げる場合以外の場合、被相続人の財産の2分の1

2)民法1041条(遺留分権利者に対する価額による弁償)
① 受贈者及び受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与又は遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができる。以下省略

3)民法903条(特別受益)
① 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるとき
は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した
相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
② 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
③ 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有
する。

・特別受益の具体例

問 以下の記述中「特別受益」に該るものには印を、該らないものには××印を記載してください。

(  )① 相続人Bは医大を卒業し現在医師であるが、被相続人AがBのために支払をした医大の入学金や授業料。

(  )② 相続人Cが結婚した際に、被相続人Aから貰った3千万円の持参金。

(  )③ 被相続人Aの土地の一部を相続人Dが借りて自宅建物を建築したが、DはAに対し毎月相場の賃料の支払いをしていた場合。

(PDF)講演レジュメ280601アイランド新宿法律事務所
(PDF)講演レジュメ平成28年6月1日②監修アイランド新宿法律事務所

講演レジュメ内の回答や解説をご希望の方、トップページよりメールアドレスをご登録ください。順次、無料配布いたします。

法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

木村峻郎先生作成、講演会・講義レジェメ集:

木村峻郎先生作成、講演会・講義レジェメ集一覧(H29):

スポンサーリンク
アーカイブ
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。