木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ集「~都市農家の相続税対策~ 弁護士からみた留意点」(民法)

木村 峻郎 先生作成!法律学習用講習会レジェメ集
「~都市農家の相続税対策~弁護士からみた留意点」(民法)
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

「~都市農家の相続税対策~弁護士からみた留意点」

平成26年8月22日
(注)上記日付の法令に基づいて、作成しております。
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

はじめに
1.都市農家が所有する「農地」は何時でも宅地に変更して、高額な価額で売却することが出来ます。
2.そこで、都市農家の遺産分割協議に際しても、農業の廃止を主張し、農地の売却による代金分配を請求する等、相続人間で激しい意見の対立を生じさせ、紛争が更に拡大するケースが多くなって参りました。
3.又、都市農家が所有する土地についてはかつて第三者に賃貸してしまったため、その返還を要求したが承諾して貰えないという場合も少なくありません。仮に賃貸土地の有効活用が出来ず、多額の「得べかりし利益」を喪失してしまうため、弁護士への相談が増えております。
4.そこで、この度は、都市農家が抱える「土地問題」について説明を致します。

第1.相続における農地の評価

問題点
相続した土地が「容易に宅地に転用することができる農地」である場合、遺産分割協議においては宅地として評価すべきであるか否か?

1)遺産分割における土地の評価
①遺産分割における相続手続不動産(土地)は、時価評価であり、税務申告において路線価による評価を行なう方法と著しく異なる。

②遺産分割において農地として評価すれば、低額なものであるのが通常であるが、宅地として時価評価することになれば、極めて高額なものになる。

③遺産分割時において、宅地に転用されていなければ、農地として時価評価を行うことが原則である。その後の宅地転用は原則として考慮しない。

④しかし宅地に転用することが予定されている事案においては、宅地としての評価も加味して裁判所の調停が為される。

⑤そして、宅地として農地を評価する場合、それは、路線価による評価ではなく時価で評価する。

◎遺言で農地を相続することになった相続人には宅地転用を急がないことが有利な相続のポイントになる。これに対し、他の相続人は農地を相続する相続人に対し遺留分減殺請求権が行使された場合、当該農地はすぐ宅地と農転することにより高額な金額で売却することを主張し、より多額の分配を請求することがポイントとなる。「宅地と変わらない」ことを強調することがその理由。

第2.貸与した農地の明渡の問題

(  )1. Xが有する土地利用権は、①永小作権(民法270条、278条)、②農地法の賃借権(民法601条、同604条、農地法19条)、及び③使用貸借契約に基づく利用権(民法593条、597条)の三種類が考えられる。

(  )2. Xの土地利用権が永小作権であるとすれば、本件の土地を借り受けた後、既に30年間が経過しているので、期間満了を理由としてAはXとの契約を解除できるのが原則である。しかし農地法の賃借権であるとするならば、期間は契約後50年であるが、当該期間を経過していたとしても、それだけではXとの契約を解除することはできない。
※両者の区別基準は?⇒土地の登記の有無

(  )3. Xの土地利用権が借主が使用料の支払をしない使用貸借契約に基づく利用権であれば、期間や使用目的を定めていないため、Aは何時でもXとの契約を解除することができる。

(  )4. AがXから支払を受けていた1万円は本件土地の固定資産税額にも満たないときは、A・X間の契約は使用貸借契約と認定される可能性が高い。

第3.第三者に建物所有目的で賃貸した場合の法律関係

【事例2】
長年農業を営んできたAには妻Bと3名の子がいる。Aは全ての財産を長男Cに相続させ、農業を承継させることを考え、「全遺産はCに相続させる」旨の遺言をした。この場合、以下の問いにつき、正しいものには○印を、誤りには×印をつけて下さい。

(図1)

(  )1. Dの遺留分割合は遺産総額の12分の1である。

(  )2. 農地は相続税の算定においては、原則として路線価で評価されるが、裁判所で行われる遺産分割協議においては、時価で評価される。

(  )3. 長男Cが相続で取得する「農地」の評価額は3千万円であるが「この農地の地目を宅地に変更すると、その時価評価額は5億円になる」場合、その後Cが農業を継続する場合であっても裁判所における遺産分割協議においては「Cが5億円の土地を相続した」ものと取り扱われる。

(  )4. 長男Cは「Aが締結した生命保険契約により、金5千万円の保険金の支払を得た」場合、当該5千万円は、税務上は遺産として取扱われるが、家庭裁判所の遺産分割協議では遺産とは取扱わない。(但し、東京家庭裁判所の取扱例は格別受益とされる。)

以上

木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集291201

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