木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ集「裁判における土地の効果的な評価方法」(民法)

木村 峻郎 先生作成!法律学習用講習会レジェメ集
テーマ:「裁判における土地の合理的な評価方法」(民法)

法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

平成28年4月6日
(注)上記日付の法令に基づき、作成されております。
弁護士から見る「相続不動産の取扱」Part1より

アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

「裁判における土地の合理的な評価方法」

第1 土地の評価に関する税務署と裁判所の違い(実務における税務署と裁判所との取扱の違い)

1.相続不動産の評価方法の違い

(1)土地
①税務署=路線価による評価
※小規模宅地の特例等が認められている。
②裁判所=時価による評価であり、小規模宅地の特例の適用等は認められない。
※農地の評価が問題となる場合が多い。
(2)建物
①税務署=固定資産税評価額が原則
②裁判所=固定資産評価額を原則とするが、転売物件や収益物件である場合には、市場性、収益性等を踏まえた時価評価

2. 評価時期の違い
①税務署=相続開始時を基準に評価
②裁判所=裁判時を基準に評価
※相続開始後の遺産分割の申立又は審判(判決)の申立手続における評価

3.裁判所の時価評価の方法

(1)調停や和解における評価方法
◎簡便な実務上の取扱
①路線価によるもの又はその1.25倍の価額
②固定資産税評価額で評価するもの又はその1.25倍の価額
③公示価格で評価するもの             etc.

(2)鑑定の実施
裁判所が「鑑定人名簿」の中から鑑定人を選任し、鑑定を行わせる。
(短所)
①鑑定人の宣誓等、選任手続が煩雑で、時間がかかる。
②鑑定費用は裁判外で依頼する場合と比べて、高額となる。

◎留意点=土地評価の実益
① 遺留分侵害の有無及び侵害額の算定
② 被相続人が相続人に対し行った「相続開始10年前の贈与」でも相続財産に算入し、遺留分侵害の有無及びその程度を判断

◎生前贈与の取扱(特別受益 民法903条)
(1)税務署=相続開始日より3年以内に為された贈与は相続財産とする。
(2)裁判所=特別受益に該るものは、相続開始の10年以上前に為された贈与であっても、相続財産として取り扱う(民法903条)。
※この場合受贈者には既に相続財産の前払いを受けたものとして取扱い、受贈者の相続分から特別受益額を差引く。
※40年前に贈与を受けた「10万円」の土地が、相続開始時には「1億円」であったときは「1億円」の贈与を受けたものとして扱う。
※特別受益に該らない場合には、相続が開始する前3年以内の贈与であっても、それは相続財産として扱わない。

<参照条文>
1)民法1028条(遺留分)
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
1. 直系尊属のみが相続人である場合、被相続人の財産の3分の1
2. 前号に掲げる場合以外の場合、被相続人の財産の2分の1
2)民法1041条(遺留分権利者に対する価額による弁償)
1. 受贈者及び受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与又は遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができる。
2. 前項の規定は、前条第1項ただし書の場合について準用する。

<参照条文>
①所得税法221条(源泉徴収に係る所得税の徴収)
第1章から前章まで(源泉徴収)の規定により所得税を徴収して納付すべき者がその所得税を納付しなかつたときは、税務署長は、その所得税をその者から徴収する
②所得税法222条は「源泉所得税を租税行政庁から徴収された支払いをする者は、その源泉所得税相当額を本来の納税義務者に対して求償することが出来る」と規定しているのである。これは民法703条の不当利得の規定が源泉所得税に関する法律関係にも適用されるため、いわば注意的に規定したものに過ぎない。

※加算税・延滞税の取扱い

最高裁判所の判例(平成26年12月12日)
①納税者が相続税を法定納期限内に申告及び納付をした後、その申告に係る相続税額が過大であるとして更正の請求をした場合において、その後、
②所轄税務署長において、相続財産の評価の誤りを理由に減額の更正処分をした後、
③再び相続財産の評価の誤りを理由に当初の申告額に満たない増額の更正処分をしたときは、相続税の法定納期限の翌日から増額の再更正により納付すべき本税の納期限までの期間については、延滞税は発生しない。

(図1)

以上

木村峻郎弁護士講演会レジェメ集291130(PDF)

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法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

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