木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ集「借地権者との交渉のノウハウ」(民法)借地権とは?

木村 峻郎 先生作成!法律学習用講習会レジェメ集
テーマ:「借地権者との交渉のノウハウ」(民法)
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

「借地権者との交渉のノウハウ」

平成25年11月19日
(注)上記作日付の法令に基づき、作成されております。
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

第1.総論
借地権とは? 

1.借地権問題で重要なものは「建物所有目的」で土地を賃借した場合です。建物所有目的で土地を賃貸してしまうと、賃貸期間が満了しても、その明渡しを求めることは実際上、不可能に近い状況にあります。

2.そのため、実務では交渉で貸主が借主に「明渡し料」の支払をすることが行なわれますが「借地権者が地価の6~7割の権利を有している」ものと取扱われているため、その明渡し料も極めて高額なものになってしまいます。

3.ちなみに、この場合「土地を共同で売却し、代金を半分ずつ分配する」という方法がとられております。そのため、建物を建築させる目的で土地を賃貸した場合に、地主の方から「土地の所有権がないのと同様である」といった自嘲気味の発言を度々耳に致します。

4.もっとも、AがBに土地を貸して、Bから「使用料の支払を受けている」場合でも「その全額が僅かで固定資産税額を下まわる」場合は法律上、それは使用賃借契約であって「賃貸借契約ではない」という場合も少なくありません。そして、この場合は地主が明渡しを求めることが、比較的容易となります。

5.そこで「借地権」の内容を正確に理解しておくことが必要となりますので、この度の講演内容を理解して下さい。

<参照条文>
借地借家法第2条(定義)
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
①借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。

第2.各論
1.借地権譲渡請求(商売が競合する場合)

【事例1】
1)甲は、所有不動産で美容室を経営している。そして、甲は、その隣接土地を乙に賃貸し、乙はこの土地上に建物を建てて、タバコ屋を経営していた。
2)その後、乙の相続が開始し、妻Aがこの建物及び賃借権を相続した。
Aは、昨今の健康ブームにより、タバコ屋を閉店することとし、Bに建物と賃借権を譲渡することにした。そして、Aは甲に対し、名義書換料200万円で書換えを認めてほしいとの申入れを行った。
3)しかし、甲が調べてみると、Bは東京で大きな美容室を経営しており、隣接土地に支店を作りたいと考えていることが判明した。
4)甲は、商売敵が隣に来ては困るので、承諾をしたくないと考えているが、甲は申入れを拒絶できるか。

<参照条文>
民法第612条 (賃借権の譲渡及び転貸の制限)
1.賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
2.賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。

借地借家法第19条 (土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)
1.借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。
2. 裁判所は、前項の裁判をするには、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。
3. 第1項の申立てがあった場合において、裁判所が定める期間内に借地権設定者が自ら建物の譲渡及び賃借権の譲渡又は転貸を受ける旨の申立てをしたときは、裁判所は、同項の規定にかかわらず、相当の対価及び転貸の条件を定めて、これを命ずることができる。この裁判においては、当事者双方に対し、その義務を同時に履行すべきことを命ずることができる。

2.借地人の相続(交渉相手)

【事例2】
1)甲は乙に対し、甲の自宅近くにある甲所有土地を賃貸していた。
2)その後、乙は死亡し、相続人として、65歳の妻A及び4人の子供がおり、子供たちは、地元を離れ、各地に分かれ住んでいる。
3)ところで、乙は、生前地代を滞納しており、すでに相当程度の滞納がある。
4)甲は誰を相手に、地代の請求及びその他の交渉を行うべきか。

<参照条文>
民法第898条(共同相続の効力)
相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
民法第909条 (遺産の分割の効力)
遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

以上

木村峻郎弁護士作成!講義レジェメ集291128

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