木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ「商工会議所セミナーより『 実務に役立つ暴力団排除条例 ~企業の対応と重点対策~ 』Part1」(コンプライアンス) 反社会勢力とは?

木村 峻郎 先生講習会レジェメ掲載中!商工会議所セミナーより
テーマ:「『 実務に役立つ暴力団排除条例 ~企業の対応と重点対策~ 』Part1」(コンプライアンス)
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法律監修:アイランド新宿法律事務代表弁護士 木村 峻郎

●●商工会議所 建設業部会事業経営講演会
『 実務に役立つ暴力団排除条例 ~企業の対応と重点対策~ 』Part1

平成25年2月27日
(注)上記日付時点の法令に基づき、作成されております。
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

第1.反社会的勢力とは?

反社会的勢力とは、いわゆる「アウト・ローの人間」であり、暴力団がその典型的なものである。なお、暴力団を定義すると「市民社会の秩序や安全に脅威を与え、経済活動にも障害となる者または団体」を意味する。

【反社会的勢力の具体例】
・暴力団、その構成員、準構成員
・暴力団関係企業(フロント企業)
・総会屋
・えせ右翼
・えせ同和           etc.

第2.何故、暴力団組織を壊滅しなければならないのか?

「暴力団関係者による市民に対する犯罪」の阻止

1.暴力団の犯罪は、
①善良な市民の平穏な生活を害される。
②一般市民が殺害等、重大な犯罪の被害者にされる場合がある。

2.建設業者や土木業者の被害
①建設業者や土木業者の受注する工事金額が多額なものであることが多いため、反社会的勢力が様々な工事のトラブルを利用し、いわゆる因縁をつけたうえ、ときとしては工事を妨害する等不当な要求を行うことが少なくない。

②又、暴力団員等が中心となって談合の取りまとめを行い、暴力団の意向に反する事業者に対して、脅迫や工事妨害等の圧力を加える。

③なお、北九州市では平成23年4月、建設会社社長で福岡県建設専門工事業団体連合会副会長が自宅前で銃撃を受け殺害されるという事件が発生した。その後、建設業界の関係者が銃撃事件や放火事件の被害を受けるという事件が度々発生している。

◎病院の建設工事中であった清水建設の現場事務所で発砲事件が発生し、事務所関係者が負傷している。
しかし犯人は1件も検挙されておらず「福岡県の警察力だけでは効果的な対応をとることが出来ない」状況が、現在も続いている。

4.企業の乗っ取り、取引を装った詐欺事件等による被害の発生

被害を受けた企業が倒産する結果になる。

第3.暴力団犯罪の現状

【平成24年度犯罪白書】

1.暴力団員の検挙人員 総数2万6,269人(前年比2.3%増)
①殺人:検挙された971人中133人(13.7%)が暴力団員
②傷害:検挙された21,572人中3,040人(14.1%)が暴力団員
◎③恐喝:検挙された3,324人中1,559人(46.9%)が暴力団員
④覚せい剤:検挙された11,768人中6,513人(55.3%)が暴力団員

※逮捕監禁罪や銃器犯罪等についても、多数の暴力団関係者により犯されている。

2.全国における暴力団構成員の総数

・平成16年:8万7,000人
・平成21年:8万0,900人
・平成22年:7万8,600人
・平成23年:7万0,300人
(平成24年度犯罪白書)

※神奈川県内における暴力団員
構成員等は約3,610人

第4.暴力団犯罪対策

1.警察の徹底した取締り

2.暴力団が資金を確保することが出来ない様にする。(暴力団排除条例)

資金提供者との関係の切断

※神奈川県をはじめとする各都道府県の暴力団排除条例は、いずれも暴力団を壊滅させるための手段として「暴力団への資金流入を遮断する」ことに重点を置き、暴力団又はその関係者に対して経済的利益を供与することを禁止している。

第5.事業者に努力すべきことが要求される事項

◎契約締結における事業者の責務
1.取引の相手方等が暴力団関係者でないことを確認する義務
=取引の相手方から「弊社は暴力団関係者ではない」旨の確認書を受領する。

2.会社が作成する契約書に「相手方が暴力団関係者であることが判明した」ときは、当該契約を解除できる規定を設ける義務
=契約書に「契約の相手方が暴力団関係者であることが判明したときは、何らの催告なくして直ちに契約を解除することができる」旨を記載する。

<参考>
【契約書に挿入する解除条項の具体例】
第○条 次に掲げる事由が発生した場合は、契約期間にかかわらず、乙は何らの催告を要さずに本契約を解除することができる。
①甲が暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係者、総会屋その他の反社会的勢力(以下、まとめて「反社会的勢力」という)に属すると認められた場合
②反社会的勢力が甲の経営に実質的に関与していると認められた場合
③甲が反社会的勢力を利用していると認められた場合
④甲が反社会的勢力に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められた場合
⑤甲が反社会的行為による行政処分等の罰則を受けた場合や反社会的勢力と社会的に非難される関係があると認められた場合

3.会社が建物建築を受注する場合、注文者が暴力団関係者であるか否か、更には「その建物が暴力団事務所の用に供されるものでない」ことを予め確認する義務

4.確認作業により、相手方が暴力団関係者であり「暴力団事務所の用に供される目的である」ことを知ったならば、契約を締結しない義務

5.契約締結後に上記2の事由の存在が判明したときは、直ちにその契約を解除する義務

第6. 暴力団排除条例で禁止される行為

1.事業者は、暴力団の威力を利用する目的で利益を提供してはならない。

【実例】
①建物の貸主からの依頼=賃料を滞納している者に対する取立行為を暴力団に依頼する。
②借家人に対する建物明渡請求の依頼=地上げがその典型例。
③請負契約=工事の瑕疵を主張して工事代金の支払を拒む注文者に対し、工事代金の取立を依頼する。
③建設業を営む事業者が、地元住民の反対運動の抑圧に暴力団を利用する。

2.事業者は、暴力団の活動を助長する目的で利益を提供してはならない。
1)「暴力団の活動を助長する目的」とは?
一般的には「暴力団関係者を積極的に利用するものではないが、なお自分の利益を図る目的で暴力団に利益を供与する場合」と説明されているが、具体的には「暴力団関係者と知って行う取引」と理解しておけば足りる。

2)①暴力団に共感する等の動機から「賛助金、会費、みかじめ料、その他の名目」で暴力団に金銭を支払う。
②販売店を営む事業者や請負業者が、売買契約や請負契約を締結等の商取引を行う場合、暴力団員に対して、不当な値引き等をする
③暴力団組長の出所祝い等で、宴会場等を提供する。

3.暴力団に事務所用建物を譲渡又は貸与することの禁止

◎4.暴力団から賃貸用マンション建築工事を受注することの禁止

5.暴力団関係者の経営する会社と観葉植物のリース契約をする等の取引をすることの禁止 etc.

※暴力団に利益を供与した事実があれば、資金を提供した者が『暴力団の活動を助長する目的があったもの』という推定が為される。

<参考>
【暴力団関係者への「利益供与」に該当する具体例】
・債権の取立てを暴力団に依頼した場合。
・不動産業者が所有する土地を売却するに際し、立退かない賃借人を追い出すことを暴力団に依頼した場合。
・事業者が、事業に関するトラブルを解消するため「相手方との話し合いの場に立ち会って貰うことを、暴力団に依頼した場合。
・内装業者が暴力団事務所であることを知って内装工事を受注し工事を行う場合。
・印刷業者が暴力団員の名刺や組織で発送する年賀状等の書状を印刷する行為。
・警備会社が暴力団事務所であることを知った上で、その事務所の警備サービスを提供する行為。
・興行を行う事業者がその暴力団員らに対し、特別に観覧席を用意する行為。
・コピー機やパソコンをリースする会社が暴力団関係者であることを知りながらリース契約を締結する場合。

※都道府県が行う公共事業については、現在暴力団関係者の排除が推進されている。 etc.

以上

「『 実務に役立つ暴力団排除条例 ~企業の対応と重点対策~ 』Part2」へ続く

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