木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ「『中小企業における経営の承継の円滑化の方法』 ~遺留分に関する民法の特例~その2」事業承継

木村 峻郎 先生講習会レジェメ掲載中!税理士会セミナー
テーマ:「『中小企業における経営の承継の円滑化の方法』 ~遺留分に関する民法の特例~その2」(税理士の先生方へ)

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法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

「中小企業における経営の承継の円滑化の方法~遺留分に関する民法の特例~その2」

●●税理士会●●支部
平成22年11月18日
(注)上記日付時点の法令に基づき、作成されております。
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

はじめに
1.遺産争いを理由に裁判所に中立を為されるケースは、毎年多くありますが、その筆頭格は、遺留分をめぐる争いです。親子の関係が希薄になり、子であっても長年電話連絡をしない子もおります。そこで、親は自分の介護に尽力してくれた子に全財産を相続させ、親を全く顧みない子には相続をさせない内容の遺言をすることは十分理解をすることができます。

2.しかし、だからといって、民法の規定する「相続人の遺留分」を無視した内容にすると、相続開始後、子の内で大きな争いが生じ、親族が、一堂に介して法事を行う」等も出来ない事になってしまう場合があります。

3.そして、中小企業の経営の承継につき、相続人間で争いが生じたときは、会社の経営が混乱し、業績も衰退してしまう」ということにもなりまねません。そこで、円滑な事業継承を図るため「遺留分に関する民法の特例」が制定されました。

第1 弁護士から見た特例法

1.長所
① 事業承継の安定性を確保することができる。そのため、会社の対外的な信用を確保することにも役立つことになる。

② 会社の従業員が「後継者を中心にして団結」し、会社業務に従事することになので業績向上を期待することができる。そこで、企業としてのメリットは大きいものがある。

2.短所
① 相続人間の公平を損なうおそれがあるため、「他の相続人全員の同意」が要件とされているが、推定相続人全員の同意を得ることは、実際上困難な場合も生じる。そこで、相続人間に争いが生じる可能性がある。ちなみに、この様な場合には後述する「完全無議決権株式の発行」等を、選択すべきことが妥当となる。

②「将来の後継者」に予定している者がいても、その者が「若年」等であるため、現段階では直ちに会社代表者にすることができないときは、適用することができない。

③ 家庭裁判所の許可を得るためには「遺留分侵害の程度が軽微である」ことが適用の要件になる可能性がある。この制度を利用する場合には「他の相続人にある程度の代償金の支払いをする」等、利益調整を十分に図る必要がある。

第2 会社の円滑な経営承継を図るためのその他の制度

1.定款による会社の株式の譲渡制限(会社法107条2項1号他)

2.種類株式の活用

① 取得条項付株式の発行

会社が「一定の事由が生じた」ことを条件に、取得することができる株式。
(会社法107条1項3号他)

② 全部取得条項付株式

その種類の株式について株主総会の決議によって、その全部を取得することができる株式。
(会社法108条1項7号他)

③ 議決権制限株式
イ)会社が議決権の無い株式(完全無議決権株式)を発行したうえ、
ロ)議決権のある株式は承継者Bに、そして議決権の無い株式をその他の相続人C・Dに取得させる。

※(1) 非公開会社では、完全無議決権株式を発行済株式総数の2分の1を超えて発行することもできる。
(会社法115条)

(2) 完全無議決権株式は、株主総会で議決権を行使することが出来ないだけでなく、総会招集請求権や株主提案権も行使できない。
(3) そこで、完全無議決権株式には「利益配当を優先的に行う配当優先株式とする」などして、不公平を回避することを配慮する必要がある。もっとも、これは絶対的な条件ではない。
(4) 配当優先の無議決権株式につき、国税庁は税務上の評価につき「議決権の 有無」を考慮しないで、原則として同価値のものとして評価している。

④ 拒否権付株式の活用
・「ある特定の議題については、拒否権付株式を有する株主の決議が無い限り、たとえ株主総会や取締役会の決議があっても、その決議は無効とする」という取扱をすることができる株式(会社法108条1項8号)。
・拒否権付株式は、会社の経営者が後継者の経営を承継させる場合、拒否権付株式を保有することにより、後継者の暴走を牽制することができる。

⑤ 従業員持ち株会の活用

3.定款による相続人からの株式の強制的買取り(会社法174条)

4.相続税の株式評価方法
① 黄金株(拒否権付株式)・・・・・・ 普通株式と評価は同様である。
② 無議決権株式

(1) 原則として … 議決権の有無を考慮せずに、普通株式と同様に評価をする。

(2) 選択適用  … 議決権がない点を考慮し、納税者の選択により原則的な評価額から5%を評価減し、その評価減した分を他の同族株主が取得した議決権株式の評価額に加算した金額で評価することも可能である。ただし、相続人全体の相続税評価額が不変なことが前提となる。

以上

(PDF)木村峻郎作成!講演レジェメ掲載中291112-2
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