木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ「知らないと危ない!!! ~会計事務所の情報漏洩対策と法律~ 経営の安定化を確保するために2」会社と従業員

木村 峻郎 先生講習会レジェメ中!
テーマ:「知らないと危ない!!! ~会計事務所の情報漏洩対策と法律~ 経営の安定化を確保するため②」(税理士の先生方へ)

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法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

知らないと危ない!!!~会計事務所の情報漏洩対策と法律~経営の安定化を確保するために②

平成22年6月3日
(注)上記日付時点の法令に基づき、作成されております。
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

【はじめに】
今日、雇主と従業員の紛争は増加しております。特に従業員から雇主である会社に対し、未払残業代の支払請求がなされる他、会社が行なった従業員の懲戒処分についてその当否が争われております。
そこで、会計事務所の経営者の立場から、必要となる法律知識について説明を致します。

第1 就業規則

1.就業規則の作成の必要
懲戒解雇にする場合、予め就業規則を制定しておくことが必要 である。
※①事業所単位で常時10人以上の労働者(パート等を含む、時として10人未満になってもよい)を使用する使用者は、就業規則を作成して遅滞なく労働基準監督署に届け出なければならない。就業規則の内容を変更した場合でも届け出の義務が生じる

※②パートタイム労働者に対してのみ適用される就業規則を作成することも可能である。

※③就業規則は予め労働者の閲覧に供したうえ、労働基準局に届出をしておく必要がある。

2.減給処分の留意点
減給処分の取扱いは、以下の通りでなければならない(労働基準法第91条)。
①一つの懲戒事由に対し「減給の総額が平均賃金の1日分の半額以内」であること。

②賃金支払期に発生した複数の懲戒事由に対し「減給の総額が、当該賃金支払期における賃金総額の10分の1以内」であること。

3. 戒解雇処分の留意点
裁判で懲戒解雇が認められる場合は、違法性が高い行為が行われたときに限られる以上、故意にデータを持ち出すことは、懲戒解雇をすることも可能である場合が多いが、過失によるデータの流出は原則として懲戒解雇にすることもできる。「単なる就業規則違反での行為は解雇事由に当たらない」と判断されるケースが多い。

※①懲戒解雇が正当とされる事由
ⅰ.盗み、横領、傷害等刑法犯に該当する行為があったとき
ⅱ.賭博、風紀素乱等により、職場の規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼしたとき
ⅲ.採用の重要な要素となる経歴を詐称したとき
ⅳ.二重就職をしたとき
ⅴ.2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じないとき
ⅵ.出勤不良で何回かにわたり注意をしても改まらないとき
ⅶ.業務上の重要な秘密を漏洩し、または漏洩しようとしたとき
ⅷ.顧客とのトラブル等信頼関係の破壊があったとき
ⅸ.会社や役員の社会的信用や名誉を著しく毀損する行為があったとき etc.

※②職員が「顧客データ」を持ち出した場合、顧客データの重要性から、ⅰ.の「盗み」以上のマイナス評価を行うことが可能であるため、懲戒解雇も可能。

第2 損害賠償の予定と身元保証人の責任

1.事例 
甲会計事務所はAの採用に際し「Aが将来甲会計事務所に損害を与えたときは、300万円を違約金として支払う」旨を予め約束させたうえ、Aの親Bを身元保証人とする契約を締結した。その後Aが甲会計事務所の個人情報を無断で持ち出した場合、甲会計事務所はAの親Bに対し300万円の損害賠償請求をすることができるか。

2.賠償予定の禁止
「労働契約の不履行」により、会計事務所に損害を与えることがある場合に備え、会計事務所と職員との間で「予め違約金を定める」ことも少なくない。例えば「職員Aの過失により情報を流出させてしまったとき、200万円の損害金を支払う」という約束をさせることであるが、これは労働者を不当に拘束するおそれがあるという理由から、禁止されている。

3.身元保証人の責任追及
1)身元保証契約とは、職員Aが甲会計事務所に損害賠償責任を負担したときには、身元保証人Bも責任を負担するという内容の契約。

2)保証期間(身元保証法第2条)
①身元保証契約の期間は「5年」を超えることはできない。もしこれより長い期間を定めたときは、これを5年に短縮する。
②身元保証契約は、これを更新することができる。但し、その期間は、更新のときより5年を超えることはできない。

<参考>
【個人情報保護法】

1)個人情報取扱事業者の義務
・利用目的をできる限り特定しなければならない(15条)
・利用目的達成に必要な範囲を超えて取扱ってはならない(16条)
・不正手段により個人情報を取得してはならない(17条)
・利用目的を本人に通知・公表しなければならない(18条)
・正確かつ最新の内容に保つように努めなければならない(19条)
・漏洩・滅失・毀損の防止の安全管理措置を講じなければならない(20条)
・従業者・委託先に対し必要な監督を行わなければならない(21条・22条)
・本人の同意を得ずに第三者に提供してはならない(23条)
・利用目的等を本人の知り得る状態に置かなければならない(24条)
・本人の求めに応じて保有個人データを開示しなければならない(25条)
・本人の求めに応じて訂正等を行わなければならない(26条)
・苦情の適切かつ迅速な処理を努めなければならない(31条)

2)罰則
①個人情報取扱事業者に上記の義務違反があった場合
主務大臣による勧告、命令(34条)
※主務大臣による改善勧告・改善命令を受けた場合、それだけで会計事務所のクライアントに対する信用は害される。

③命令違反
6ヶ月以下の懲役30万円以下の罰金が科せられる(56条)

以上

(PDF)木村峻郎弁護士作成!講義レジェメ掲載!291110-2
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