木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ(コンプライアンス)「企業研修『情報漏洩問題の回避:従業員の倫理』」顧客情報漏洩における会社の情報流出

木村 峻郎 先生講習会レジェメ
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)
テーマ「企業研修『情報漏洩問題の回避:従業員の倫理』」(コンプライアンス)

企業研修『情報漏洩問題の回避:従業員の倫理』

平成24年3月3日
(注)上記日付の法令に基づいて、作成されております。
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

はじめに
会社は多くの重要な情報を保有しているが、会社の従業員がこの情報を社外に流出させた場合、その原因を問わず会社は有形・無形の重大な損害を被ることになってします。そこで社会への情報流出を防止することは今日、会社に課せられた重大な問題であるが、それは更に情報流出をさせてしまった当該従業員も損害賠償責任はもとより懲戒解雇、或いは刑事罰を受ける等重大な不利益を受けることになる。そこで、日頃から情報流出問題に対する知識を習得し、各従業員が緊張して業務に従事することに務める必要がある。

第1 総論

1.会社の保有する情報
1)顧客情報
2)会社の経理、営業等の内部情報
3)役員・従業員の個人情報
4)特許権、実用新案権に関する情報

2.漏洩防止の必要性
1)ところで、上記の各情報は、どの会社にとって極めて重要な「財産」であるが、仮にその情報が外部に流出することになると、顧客や従業員のプライバシーの保護はもとより、会社の信用は損なわれ業務遂行にも重大な支障を来たすことになる。

2)情報の流出原因
情報の流出の原因は多岐にわたるが、今日その多くの場合が会社内部における従業員のモラルの低下が大きな原因となっている。
   
例)
・職員の私的利用による流出Winny=ファイル共有ソフト)の普及
・送信ミス(特にFAX) 
・退職時における退職者の不正持出・退職者の依頼を受けた職員の不正持出
・従業員が故意に社内の情報を外部に流出させる。 etc

第2 内部者(反抗的な態度を示す従業員等)からの悪意に満ちた情報発信
◎現在流出した違法な情報

1)会社が販売する商品や営業内容に関するもの)
例)
・販売する飲料水の原材料費は10円もしないのに、その100倍以上の値段で販売している。
・販売する菓子に表示した賞味期限は全く根拠がないものを記載している。
・事務員に作成させた書類も、弁護士が作成したものとして高額な弁護士報酬の請求をしている。
・効果がない薬を、入院患者に多量に与えている。
・能力開発教材の担当講師は相殺という幹事を読み間違える無能力者だ。                          etc

2)上司、同僚の誹謗・中傷情報
例)
・従業員を喰い物にして、社長は1億円の年収を得ている。良心というものがない。
・何時も部下を怒鳴り散らしている部長は、社長の前では何も言えないイエスマンで無用な人間。
・部長は、山田さん(仮名)を執拗にデートに誘って、山田さんは困っている。
・課長はセクハラの達人。恥を知らないヤツだ。  etc

3)流出方法
例)
・会社の得意先の担当者に上記情報の話をする。
・ネットに掲載する。
・競業会社や関係会社に匿名で連絡する。  etc

第3 顧客情報漏洩における、会社の責任
◎民事上の責任

1)銀行が顧客情報を漏洩した場合の損害賠償責任(民法第415条、同第709条、同第715条)

2)新聞等のマスコミに情報漏洩を報道されたことによる社会的信用の喪失
3)「謝罪広告」を掲載することによる広告費用等の経済的損失
4)実務的な「顧客や取引先から契約の解消をされる」という重大な損害の発生

第4 会社から従業員に対する責任追及
◎会社情報を流出させた場合

1)違法行為を行った従業員に対し、個人情報保護法違反が適用されると、懲役6ヶ月以下の刑(同法56条)が科される。

2)故意に会社の情報を持ち出した場合は、窃盗罪として懲役10年以下の刑(刑法235条)により処理される場合がある。

3)不正に持ち出した会社の情報を競業他社に売却したときは不正競争防止法違反として懲役10年以下の刑(同法第21条)が科される。 

4)上記2)、3)の場合、更に背任罪として懲役5年以下の刑(刑法第247条)より処理される場合がある。

5)ネットで上司・同僚の名誉を棄損した場合には、名誉棄損罪(刑法第230条)及び侮辱罪(刑法第231条)より処理される場合がある。

6)会社の情報を不正に持ち出し「会社の業務を妨害する」行為として、業務妨害罪(刑法第233条後段)、信用毀損罪(刑法第233条前段)より処理される場合がある。 etc.

 

第5 従業員等の会社・同僚に対する誹謗、中傷に対する近時の対応

1.上述した従業員が会社やその上司・同僚、ときには部下をも誹謗中傷する行為の違法性が近時特に問題となっている。

2.従業員の無責任な表現が会社の信用を損い、上司や同僚の名誉やプライバシーを著しく侵害するため、警察や裁判所も問題の重大性を認識し、厳しいペナルティを科す方向で対策が講じられている。

第6 まとめ
 従業員の違法行為を阻止することが、会社が営業を継続していく重要なテーマである。そこで、従業員に「軽率な行為が刑務所行く恐さ」を十分に理解させる方法を講じることが重要である。

<参照条文>
民法415条(債務不履行による損害賠償)
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。

民法第709条(不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

民法715条(使用者等の責任)
1.ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2.使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3.前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

以上

(PDF)木村峻郎先生が作成した講演会レジェメ291107-4
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