木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ(税理士の先生方へ)「税理士事務所の顧客サービスPart2 ~弁護士から見た不動産評価の問題点~」不動産評価の基準、鑑定が行われるケース

木村 峻郎 先生講習会レジェメ 講演会レジェメ掲載します。
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)
テーマ(税理士の先生方へ)「税理士事務所の顧客サービス Part2~弁護士から見た不動産評価の問題点~」
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税理士事務所の顧客サービス Part2~弁護士から見た不動産評価の問題点~
平成26年5月23日
(注)上記日付の法令に基づいて作成されております。
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

はじめに
不動産を巡るトラブルが裁判所に持ち込まれた場合、必ずと言っていいほど問題となるのが、「当該不動産の評価」である。
不動産の評価に関しては、評価の方法だけでなく、いつの時点の評価とするのか、についても法律的な観点を欠かすことはできず、鑑定自体の妥当性も争いとなることがある。
以下、そのような不動産評価を巡る諸問題について説明を行う。

第1 鑑定が行われるケース
裁判や調停になったとしても、鑑定は必ず行われる訳ではない

1.遺産分割、遺留分減殺、共有物分割など、不動産鑑定が実施されうるケースは複数存在するが、その全ての事案において鑑定が実施される訳ではない
裁判で実施される鑑定には高額の費用がかかる(100万円超になることも珍しくない)

2.裁判上の鑑定と私鑑定
裁判上の鑑定は当事者双方に結果が示される
可能であれば、私鑑定を先行させたうえ、鑑定評価書を書証として提出できることが望ましい

第2 相続の場面における不動産の評価

1.不動産評価の基準時

(1)遺産分割の際の遺産評価基準時は遺産分割時
(東京高決昭和44年12月22日家裁月報22巻6号55頁)

(2)特別受益や寄与分、遺留分算定の基礎となる財産評価の基準時は相続開始時(民法903条、904条の2参照)
具体的な計算
・相続人は子ABCの3名
・相続開始時の遺産総額3,000万円
・遺産分割時評価額6,000万円
・Bが生前贈与300万円(相続開始時評価額500万円)
・Cに寄与分500万円

2.不動産評価算定の基準
(1)路線価ではなく、時価
(2)自宅不動産であっても、広大地であっても、それを理由として特別の減価はされない

3.時価評価の方法
(1)簡便な評価方法
ア)路線価×1.2
イ)相続人間での合意

ウ)合意する場合の注意点(福岡高決平成9年9月9日家裁月報50巻2号184頁)

(2)遺産評価と特別受益
-遺産である土地上に相続人所有建物がある場合-

ア)民法第903条
1.共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2.遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3.被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。

イ)設例(A所有土地の更地価格は1,000万円と仮定)

・A所有土地上にBが自ら建物を建て、生活をしていた。
・Bに相続が開始した後、Aに相続が開始した。
・Cは土地の持分の取得を希望せず、代償金の支払を求めた。
・この場合の土地の価格はどのように評価されるか。

ウ)更地として評価-自用地理論-

(ア)(大阪高裁昭和49年9月17日判決)
遺産分割により、宅地を地上建物の所有者たる相続人またはこれと生計を一にする配偶者に所有させる場合には、当該宅地については自己使用を前提に更地価額として評価すべきであるとするもの

(イ)具体的な金額
(ウ)自用地理論の問題点

エ)使用借権付の土地として評価
(ア)使用借権付土地についての評価
(イ)Cからの主張-特別受益-
特別受益ある場合の相続分の計算方法
① 相続開始時の遺産総額+特別受益財産価額
=みなし相続財産
② みなし相続財産×法定相続分
(-特別受益者の特別受益額)=具体的相続分
③ 具体的な金額
(ウ)自用地理論との差異

第3 不動産鑑定の妥当性が争われた事例

1.概要
(1)対象地
東京都内の500㎡程度の土地であり、一面でのみ公道と接しており、現状では通路部分から出入を行っている。
交渉では共有状態の解消に至らず、X及びYの共有状態が継続する結果となった。
(2)当事者
X:建物を所有して土地の約70%を使用。
Y:建物を所有して土地の約30%を使用。
(3)紛争の概略
Yが有している共有持分(約20%)相当額よりも、Yが現時点で占有している部分の価額が高額となることから、Xは、Yに対し、共有物分割を求めるとともに、代償金の支払を求めた。

2.本事例の争点とそれに関連する鑑定の概要
(1)本事例の争点
Yが有している共有持分相当額の計算方法
(2)X鑑定の概要
X占有部分とY占有部分とを別個に鑑定評価した。
(3)Y鑑定の概要
対象地全体とY占有部分とをそれぞれ鑑定評価した。
(4)Y鑑定の問題点
ア)小規模地と大規模地の㎡あたり単価の比較
イ)Y占有部分の価格算定方法
ウ)Y占有部分の個別格差率

3. 裁判所の対応

以上
(注)最上部日付の法令に基づいて作成されております。

(PDF)木村峻郎先生が作成した講演レジェメ291105-1
(PDF)木村峻郎先生が作成した講演レジェメ291105-1

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