木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ(税理士の先生方へ)弁護士から見た「相続遺産分割の裁判上の問題点」遺産分割調停事件、遺留分減殺調停事件の問題点

木村 峻郎 先生講習会レジェメ(税理士の先生方へ)
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

テーマ弁護士から見た「相続遺産分割の裁判上の問題点」
(PDF)Google+同時更新,無料メルマガにて解答配信予定!

弁護士から見た「相続遺産分割の裁判上の問題点」

平成28年12月15日
(注)この講演レジェメは、最上部右上に記載された年月日時点の法令に基づいて作成されています。

アイランド新宿法律事務所
弁護士 木村 峻郎
弁護士 村松 宏樹
      
第1.裁判所における「遺産分割調停事件」や「遺留分減殺調停事件」の問題点

依頼者に対するアドヴァイスのポイント
1)まず調停の申立を行なう必要があるため、解決までに長時間を要する1
=多くの案件は申立後、調停が成立するまでに「2~3年の時間を要する」
2)申立の裁判所は相手方の住所地を管轄する裁判所
=遠隔地に居住している場合は裁判所に出頭することが大変な苦労になる。
3)弁護士費用は高額
※或る相続人の取得した相続財産が億円と仮定した場合、「着手金及び報酬の弁護士費用合計額は1,107万円。仮に取得した相続財産が2億円であれば合計2,007万円。」

4)10カ月間の相続税の申告期間を経過してしまう危険性
※各相続人が別々に依頼した税理士間のトラブル
①申告内容
②税理士報酬


第2.遺言執行者をめぐる法律関係

1)遺言執行者は全ての相続人の代理人である(民法1015条)
     ↓
・利益相反行為の禁止
或る相続人の利益のために、他の相続人の利益を害する対応を行うことは出来ない。
     ↓
・相続人間の紛争に遺言執行者が主体的に対応することが出来なくなる
※分割協議における公平な対応
     ↓
相続人から依頼を受けた弁護士が裁判により争うことになるので、何年もの時間を要することになる。

2)遺言執行者の調査義務
(具体例)
①相続発生の3年以上前に為された贈与であっても、その有無 及び贈与財産の調査(特別受益=民法条)
②相続開始前に引き出された被相続人の預金の追及

3)遺言執行者の報酬
①遺言で定める
  ※信託銀行の場合には、遺言で相続人代表者名を記載し、相続開始後報酬契約を締結して定める。
②家庭裁判所が定める。

4)遺言で遺言執行者と指定された者の対応
 必ずしも遺言執行者に就任する必要はない。

             
第3.財産評価の方法

1.税務署と裁判所の財産評価基準の相違
㋑税務署は路線価による評価が原則
㋺裁判所は時価による評価が原則
※時価の評価額について争いがあるときは、裁判所の選任した 鑑定人による鑑定で決定する(P3の第2項「時価評価の方法」参照)
※評価時期は遺産分割時であり、相続時ではない

2.裁判所が財産評価を行う場合
①遺産分割における相続財産の評価
②火災による損害賠償請求事件における焼失財産の評価
③株主が株式買取請求権を行使した場合の評価  etc.

第4.財産評価が問題となる具体例

1.土地
〈事例①〉被相続人Aが生前、第三者Bに対し建物所有目的で土地を賃貸し、Bが当該土地上に建物を建築して居住している
            ↓
更地価格に借地権割合を乗じて借地権価格を算出し、更地価格から借地権価格を控除した残額を土地評価額とする

〈事例②〉Aの長男CがAの土地上に建物を建築し、地代の支払をせずに居住していた場合
      ↓
 土地上の使用貸借契約の存在を無視し、更地として評価する

2.建物=㋑被相続人が居住していた自宅建物は、固定資産評価証明書記載の評価額で評価する
     ㋺賃貸用建物の評価
建物自体の評価額が仮に低額であっても、賃料収入がある場合には、建物の耐用年数内の予想される見込収入額から予想経費額を差し引いた残額をもって、評価額とする
    ※但し、耐用年数等が正確には判らない場合が多いため、大半の場合は話し合いの方法で解決する

3.動産
 宝石や絵画は当事者で合意しなければ、裁判所の選任した鑑定人の鑑定評価による。
※高価な宝石等は同居している相続人等が隠匿する場合も多く、遺産として発見されない場合も少なくない。
                    
4.株式
(1)純資産価額を発行株式数で除した金額を1株の評価額とする
(2)類似同種企業の株価を基準にする

第5.相続における特別受益の評価

1.20年前に、親に購入して貰った「自宅建物の敷地」はいわば相続分の前渡し(特別受益)として時価評価により処理される
・特別受益の評価は、20年前の土地の時価ではなく遺産分割時 における時価評価
   
(具体例)
・甲の相続人は子ABCの3名
    ↓
・相続時の遺産総額=1億6,000万円
    ↓
・Bが親から「20年前に400万円の土地の贈与を受けた」が、遺産分割時の価額は5,000万円に増額していた
    ↓
・この場合遺産は5,000万円を加算した2億1,000万円として計算する
    ↓
  相続人1人当りの相続分は7,000万円
  2億1,000万円÷3=7,000万円
    ↓
・Bの相続分は7,000万円-5,000万円(土地を取得したことにより既に5,000万円の支払を受けたものとして取扱う)=2,000万円
    ↓
Bが実際上取得出来るのは2,000万円

2.時価評価の方法
(1)裁判所の選任した鑑定人の報酬額は極めて高額であり
   又、少なくとも6カ月以上の時間を要する

(2)そこで、簡易な計算方法で処理する場合が多い
ア) 路線価×1.2=時価として取扱う
イ) 公示価額や評価証明書の金額を基準に、相続人間で評価額を定める  
ウ) 被相続人Aから長男BがAの自宅敷地の一部に建物を建築した場合、更地として評価
    ↓
※Bが土地の使用借権を主張しても、それは特別受益になるので、Bの取得する遺産総額は結局変わらないことになる

以上
(注)この講演レジェメは、最上部右上に記載された年月日時点の法令に基づいて作成されています。

(PDF)木村峻郎講義レジェメ掲載中!291102-2
(PDF)木村峻郎先生作成講義レジェメ掲載291102-2

木村 峻郎 先生が作成した講演レジェメ集
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村 峻郎)

木村峻郎先生作成、講演会・講義レジェメ集:

木村峻郎先生作成、講演会・講義レジェメ集一覧(H29):

スポンサーリンク
アーカイブ
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。