木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ「(労働法)会社と従業員の労務問題~従業員とのトラブル防止 その6~」外国人の雇用、労災保険

講習会レジェメ
法律監修 アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)


テーマ”(労働法)会社と従業員の労務問題~従業員とのトラブル防止 その6~

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アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木 村 峻 郎

従業員の違法行為が行われると、雇用者である会社は被害者に対して賠償責任を負担し、更には対外的にも会社の信用も失墜してしまう場合がある。そこで、その場合当該従業員に科せられる「懲戒等の不利益」も予め従業員に認識させ、心理的強制を加えることが必要です。


第1 懲戒処分

1.懲戒の種類
懲戒処分とは企業秩序、服務規律に違反した労働者に対して課せられる「制裁」であり、懲戒には以下の如き種類がある。
①譴責(始末書)
②減給
③出勤停止
④降格
⑤諭旨解雇
⑥懲戒解雇

2.懲戒処分の要件
会社が懲戒処分を行うためには、予め就業規則で「懲戒の種類やその要件」を定めておく必要がある

3.減給
減給処分の取扱いは以下の通りでなければならない(労働基準法第91条)。
①一つの懲戒事由に対し「減給の総額が平均賃金の1日分の半額以内」であること。
②賃金支払期に発生した複数の懲戒事由に対し「減給の総額が、当該賃金支払期における賃金総額の10分の1以内」であること。

4.解雇
実務上懲戒解雇が認められる場合は、違法性が高い行為が行われたときに限られ「単なる就業規則違反での行為は解雇事由に当たらない」と判断されるケースが多い。

解雇が正当とされる事由
①盗み、横領、傷害等刑法犯に該当する行為があったとき
②賭博、風紀素乱等により、職場の規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼしたとき
③採用の重要な要素となる経歴を詐称したとき
④二重就職をしたとき
⑤2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じないとき
⑥出勤不良で何回かにわたり注意をしても改まらないとき
⑦業務上の重要な秘密を漏洩し、または漏洩しようとしたとき
⑧顧客とのトラブル等信頼関係の破壊があったとき
⑨会社や役員の社会的信用や名誉を著しく毀損する行為があったとき etc.


第2 就業規則

1.事業所単位で使用者が、事業を効率的に運営していくため、労働者の労働条件、職務上の規律、退職等について統一的に管理するために定めた規則類の総称をいう。

2.事業所単位で常時10人以上の労働者(パート等を含む、時として10人未満になってもよい)を使用する使用者は、就業規則を作成して遅滞なく労働基準監督署に届け出なければならない。就業規則の内容を変更した場合でも届け出の義務が生じる

3.なお、パートタイム労働者に対してのみ適用される就業規則を作成することも可能である。労働者の閲覧に供したうえ、労働基準局に届出をしておく必要がある。


第3 外国人の雇用

1.外国人の不法就労
1)外国人は厳しい要件の下で労働が許可されているに過ぎない。この要件を具備していない外国人の労働は不法就労となる。なお、法律上認められていない「外国人の労働」は以下の通りである
①在留資格が短期滞在である場合や、留学生が許可なく資格外の就労活動をした場合。
②許可された在留期間を超えて滞在する場合。

2)不法就労助長罪
外国人に「不法就労活動」をさせた者(例えば会社代表者)および会社は、不法就労助長罪として、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はその両方に処せられる。

<参考条文>
第73条の2
1.事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
第76条の2
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して2若しくは第74条から6までの罪、第74条の6の2(第1項第3号及び第4号を除く。)の罪若しくはその未遂罪又は8の罪を犯したときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

3)就労が認められていた外国人でも、在留期間が過ぎてしまうと「不法就労」に該たることになる。そこで、在籍期間が過ぎたことを雇い主が知った場合、その後も雇用を継続すると「不法就労助長罪」にと問われることになる。又、行政庁より会社の有している営業等の許可が取消される場合がある。

2.雇用条件
1)働基準法は、国籍を理由とした賃金等の労働条件の差別的な取扱いは禁止している。従って、外国人労働者は日本人労働者と同一の賃金を請求する権利を有する。

2)もっとも、雇主側は外国人が「労働能力」や「日本語理解能力」に劣ることを理由とし、日本人の労働条件と差別的取り扱いをすることが度々行われている。
※1 「永住者または永住者の配偶者」、「日本人の配偶者」、「定住者」の在留資格を取得した者については、業種に関係なく就労が可能。
※2 留学生、就学生については、本人が地方入国管理局に資格外活動(アルバイト)の許可申請をして認められれば、その範囲内で適法にアルバイトをすることができる。ちなみに、許可は「1日の労働時間が4時間以内の就労であること」を基準としている。ちなみに、外国人が4時間を超える就労を希望する場合は、本来の学業に支障がないか否かを審査のうえ決定される。


第4 労災保険

1.会社の義務
1)個人事業者であっても労働者を雇用する者は、原則として労災保険に加入しなければならない。
2)加入させなければならない労働者
正社員、アルバイトなどの雇用形態如何を問わず労災保険に加入することが必要である。ちなみに、外国人労働者であっても加入させなければならないが、たとえ不法就労であっても適用となる。

2.業務災害の認定基準
①業務遂行性・・・労働者が労働契約に基づき使用者の支配下にあるときに被災したとき。
②業務起因性・・・業務又は業務行為に伴う危険が現実化したものと経験則上認められること
①の例
1)支配・管理下にあって業務に従事している場合
(予め定められた担当の仕事をしている場合など)
2)支配・管理下にあるが、業務に従事していない場合
(休憩時間中、事業付属寄宿舎を利用している場合など)
3)支配下にあるが管理下を離れて業務に従事している場合
(出張中、営業など事業場の外で仕事をする場合など)   etc.

(PDF)講義レジェメ291023
(PDF)講義レジェメ291023アイランド新宿法律事務所(木村峻郎)

その7へ続く
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