木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講義レジュメ集「税理士が知って得する知識-顧客獲得のために-」従業員の違法行為

木村峻郎弁護士作成!講習会レジェメ
(監修 アイランド新宿法律事務所 代表弁護士 木村 峻郎)

”税理士が知って得する知識-顧客獲得のために-“
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テーマ 税理士が知って得する法律知識 -顧客獲得のために-

アイランド新宿法律事務所
講師 代表弁護士 木村 峻郎

従業員に対する損害賠償責任追及の重要ポイント

第1 従業員の違法行為による会社の損害賠償

1. 事例1 =就業中の事故による損害の発生
甲会社の従業員Aは会社の自動車を運転して仕事に従事していたときに、Aの過失により乙会社の従業員Bが運転する自動車に衝突させ、Bに全治6ヶ月の傷害を負わせた(B損害額は約1千万円)他、自動車の荷台に積んでいた乙会社所有のコンピューター機器(時価5千万円)を損傷してしまった。この場合の法律関係はどうなるか。

事例2=従業員の「リベートの受領」
甲印刷会社の従業員Aは得意先である乙会社の担当者Bより要求されたリベートを支払うため、印刷代金を請求する際に「Bに支払うリベートを上乗せ」して乙会社に代金支払の請求をしたうえ、その支払を受けていた。この場合の法律関係はどうなるか。

2. 民法715条による会社の使用者責任
会社(使用者)の責任=従業員が会社の業務執行につき、その故意又は、過失により第三者に損害を与えたときは、会社も従業員とともに「第三者に損害賠償責任を負担しなければならない」と規定している。

3. 賠償責任に応じた会社の求償
会社が被害者からの賠償請求に応じて、賠償金の支払をした場合、不法行為を行なった従業員に対して、求償をすることができる。しかし、判例は多くの事案で会社が被害者に支払をした賠償金の全額の求償は認めていない。会社が被害者に支払をした金額の半額程度しか求償を認めていない。

4.前記各事例における甲会社の責任

① 事例1について
甲会社はBに1千万円、乙会社に5千万円、合計6千万円の支払をしなければならない。しかし、甲会社が従業員Aに対し求償することができるのは「多くの場合は、支払をした金額の半額である3千万円だけ」である。そして、更にAに支払能力が無ければ、会社は実際上全く回収することができないことになる。

② 事例2について
Aが乙会社のBと共同して乙会社に損害を与えたことになり、A・Bは乙会社に損害賠償責任を負担することになる。そして甲会社はA会社の使用者として民法715条により、乙会社に対して損害賠償責任を負担しなければならない。

第2 会社に損害を与えた従業員に対する会社の損害賠償請求
1. 事例
甲会社の従業員Aは仕事中100万円の会社の商品を「停車させた自動車内に残したまま、その場を離れた」ため、その商品が盗まれてしまった。

問 この場合、会社はAに対し100万円の損害賠償請求をすることができるか。

2. 従業員の責任

① 従業員に僅かでも過失があれば、債務不履行責任や不法行為責任を追及できるが(民法415条、同709条)、判例は「指示された労働作業を行う過程において軽過失に基づく事故については、従業員に対する損害賠償請求を認めない」場合が多い。

② そして、従業員に故意又は重過失があった場合でも、損害賠償責任を4分の1程度しか認めないものが多い。

③ 但し、従業員が会社の自動車を無断で持ち出して事故を起こした場合においては、判例上も会社が被った損害の全額の賠償請求が認められる。

第3 損害賠償の予定と身元保証人の責任
1. 事例
甲会社はAの入社に際し「Aが将来会社に損害を与えたときは、100万円を違約金として支払う」旨を予め約束させたうえ、Aの親Bを身元保証人とする契約を締結した。その後Aが会社の商品50万円分を盗み出した場合、甲会社はどの様な救済手段を採ることができるか。

2.賠償予定の禁止
「労働契約の不履行」により、会社に損害を与えることがある場合に備え会社と労働者との間で「予め違約金を定める」ことも少なくない。例えば事故を生じさせた労働者に対し、将来「再度事故を起こしたときは、200万円の損害金を支払う」という約束をさせることであるが、これは労働者を不当に拘束するおそれがあるという理由から、禁止されている。

3.身元保証人
① 身元保証とは、将来従業員Aが会社に負担するかもしれない損害賠償債務につき、従業員の「責に帰すべき事由」に基づいて発生した損害を保証すること。

② 保証期間(身元保証法第2条)
イ)身元保証契約の期間は「5年」を超えることはできない。もしこれより長い期間を定めたときは、これを5年に短縮する。
ロ)身元保証契約は、これを更新することができる。但し、その期間は、更新のときより5年を超えることはできない。

③ 保証期間を定めないとき
イ) 判例=保証契約後相当期間を経過した場合において解約予告期間を設けることを要件として、保証人は解約権を行使することができる。

ロ) 従業員の資産状況が著しく悪化し、保証債務の額が契約当時予想しなかった金額に及ぶ可能性を生ずるに至った場合や、保証人の従業員に対する信頼が害されるに至った場合には、事情変更の一場合として、告知期間を要せずに解約権を有すると解されている。

④ 身元保証人の地位と相続
身元保証人が死亡した場合、その地位は相続人に相続されない。但し、既に従業員の違法行為が行われ、損害賠償責任が発生した場合には、身元保証人が負担した賠償責任も相続の対象となる(民法第896条)。

以上

(PDF)講演レジェメ291016-1監修アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

法律監修 アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

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