木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講義レジュメ集「(コンプライアンス)企業を取り巻く法律の落とし穴-従業員の倫理Part2-」セクハラ問題・パワハラ問題

木村峻郎弁護士作成!講習会レジェメ   
法律監修 アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

テーマ”コンプライアンス 企業を取り巻く法律の落とし穴;従業員の倫理Part2″
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創業30周年特別講習会
「企業を取り巻く法律の落とし穴;従業員の倫理Part2」

アイランド新宿法律事務所
講師 代表弁護士 木 村 峻 郎

会社の社員がセクハラ・パワハラ問題、更にはマタハラ問題で敗訴し、或いは痴漢、喧嘩による傷害等で逮捕されたときは「すぐにインターネットで本人の実名や会社名が全国に流布してしまう」状況にあります。そこで、私共も会社顧問弁護士として皆様方に講演をして参りましたが、改めて社員の皆様方に遵法精神(コンプライアンス)を培う必要性を再認識して頂くため、本日の講演を行う次第です。

第1 セクハラ問題

1.「セクハラ行為」とは、日本語で「性的ないやがらせ行為」と訳されるものであり、言葉や態度で「性的表現」を行い、相手方に不快感を与え、或いは不安な精神状態に陥らせることを意味します。

2.セクハラ行為となる具体例
① 上司が部下の女性に対し、いわば昇進を人質に取った性的関係を強要すること
② 上司が部下の女性の身体に触ること
③ 上司が部下の女性に対し、執拗に食事に誘うこと
④ 上司が部下の女性に対し、酒席でのお酌の強要をすること
⑤ 一人暮らしである部下の女性を「タクシーで自宅前まで強引に送
 ろうとする」こと 
⑥ 部下の女性を他の社員の前で、名字ではなく名前を、いわゆる「ちゃんづけ」で親しげに呼ぶこと  
⑦ 取引先との売買契約を口実にした、デートの誘いや愛人契約を強要すること etc.

3. セクハラ行為を行なった場合、法律的にどの様に裁かれるのか?
・ 各責任の内容
1)刑事責任
・強制わいせつ罪(刑法第176条)
  6ケ月以上の懲役
・名誉毀損罪(刑法第230条)
 3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金
・侮辱罪(刑法第231条)
拘留又は科料           etc.      

2)民事上の損害賠償責任
  不法行為による損害賠償責任(民法第709条)
※損害賠償を受ける場合は「精神的損害による慰謝料請求の他、弁護士費用や裁判費用も負担させられる」ため、損害賠償の金額が高額となる場合も少なくない。

3)会社が行う懲戒処分
  懲戒処分を受け、多くの場合最も重い懲戒解雇まで為されてしまう。

第2 パワハラ問題

1.「パワハラ行為」とは、同じ職場で働く者に対して、
① 職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、
② 業務の適正な範囲を超えて、
③ 精神的・身体的苦痛を与える行為をいいます。

※上司から業務上の必要な指示や注意・指導を受けた部下が不満に感じたりする場合であっても、業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワハラにはあたりません。

2.「パワハラ行為になる」として損害賠償責任が認められた判決例
① 他の従業員の前で「うつ病みたいな辛気臭い奴はいらん」等と罵倒する行為(東京地方裁判所判決)
② 「あなたの給料で営業職が何人雇えると思いますか。あなたの仕事なら営業職でも何倍の業績を挙げますよ。」との内容のメールを本人及び職場の同僚十数名に送った行為(東京高等裁判所判決)
③ 部下の男性に対し、裸踊りを強要すること(東京地方裁判所判決) 
④ 「お前は覚えが悪いな。バカかお前は。社会人失格だ。お前はとろくて仕事ができない。上司である自分の顔に泥を塗るな」との発言(東京地方裁判所判決)
⑤ 出勤・欠勤を示すホワイトボードに「永久欠勤」と書き、壁に面した机に他の従業員らに背中を向ける形の座席の移動を命じた行為(東京地方裁判所判決)
⑥ 英文翻訳の経験のない者に対し、業務上の必要性の認められない英文翻訳業務をさせた行為(東京地方裁判所判決)
⑦ 退職勧奨を拒否した開発部長を、経験や経歴と関係のない単純労働業務に配置転換したこと(大阪地方裁判所判決)
⑧ バス運転手の接触事故を理由として、炎天下の中で約1ヶ月間除草作業を命じたこと(横浜地方裁判所判決)

3.その他のパワハラワードの具体例=上司の部下に対する暴言
・「存在が目障りだ。いるだけでみんなが迷惑している」
・「こんな間違いをするやつは死んでしまえ」
・「お前のカミさんの気がしれん。お願いだから消えてくれ」
・「お前は会社を食い物にしている。給料泥棒!」  etc.

4.私的なことについて上司が過度に立ち入ることがパワハラとされた例

労働者の私的な事柄は労働者自身が決めるものであることから、使用者の許される裁量は原則として狭く解されている。

(裁判例)
① 部下の借家紛争につき、上司が部下の確定的決断後に職制上の優越的地位を利用して執拗に和解を強要した行為(横浜地方裁判所判決)
② 他の従業員には指示をしていないのに、ある部下に対してのみ結婚指輪を外すよう指摘する行為(名古屋高等裁判所判決)

5.パワハラ行為に対する制裁
 基本的にはセクハラ行為の場合と同じ

1)刑事責任
・名誉毀損罪(刑法第230条)
 3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金
・侮辱罪(刑法第231条)
 拘留又は科料
・脅迫罪(刑法第222条)    
 2年以下の懲役または30万円以下の罰金 etc.                   

2)民事上の損害賠償責任
 不法行為による損害賠償責任(民法第709条)
※損害賠償を受ける場合は「精神的損害による慰謝料請求の他、弁護士費用や裁判費用も負担させられる」ため、損害賠償の金額が高額となる場合も少なくない。

3)懲戒処分
 懲戒処分の対象となるが、実際上「最も重い、懲戒解雇」まで、為されてしまう場合が少なくない。なお、懲戒解雇になると退職金が支給されないことになるため、会社の温情で「自己都合による退職」とする場合も多いが、うやむやにせず長年勤務した会社を退職しなければならないことは極めて多くの犠牲を強いられることになる。

(PDF)講習会レジェメ91015‐2アイランド新宿法律事務所(木村峻郎)

(PDF)講習会レジェメ91015-2アイランド新宿法律事務所(木村峻郎)

以上

法律監修 アイランド新宿法律事務所代表弁護士 木村 峻郎

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