木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ「税理士事務所の顧客サービスPart1~弁護士から見たトラブルを起さない子への贈与方法~税務署と裁判所の取扱いの差異」(税理士の先生方へ)税務申告の基準、生計の資本の具体例

木村 峻郎 先生作成!法律学習用講演・講習会レジェメ集
テーマ:「税理士事務所の顧客サービスPart1~弁護士から見たトラブルを起さない子への贈与方法~税務署と裁判所の取扱いの差異」(税理士の先生方へ)
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法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

「税理士事務所の顧客サービスPart1~弁護士から見たトラブルを起さない子への贈与方法~税務署と裁判所の取扱いの差異」
平成26年4月18日
(注)上記日付の法令に基づき、作成されております。
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

はじめに
相続問題を処理する場合、自宅不動産の評価等、様々な点において税務署と裁判所の取扱いが異なっております。そこで、税務申告手続きの依頼を受けた税理士が相続人に対する説明をする場合、両者の取扱いの違いを知らなかったために、税理士過誤の問題を惹起してしまう危険性があります。そこで、今回は税務署と裁判所の取扱いの異なる事項について具体的に説明致しますので、是非とも留意して下さい。

第1.「AがBに行なった贈与中、それが生計の資本として為されたものであるときは、仮にそれが20年前に為されたものであったとしても、それは相続財産」として取扱い遺産分割の対象となる。

<参考条文>
1.民法第903条
共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻、養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前3条の規定によって算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除し、その残額を以てその者の相続分とする。

2. 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。

3. 被相続人が前2項の規定と異なつた意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に反しない範囲内で、その効力を有する。

2.生計の資本の具体例

[肯定例]
①被相続人Aの遺産である土地を、その息子Bがアパート経営のために無償で使用していたという事案。Bは被相続人からアパート経営のため、遺産である土地の使用貸借権をAから生前に与えられていた。この使用貸借権の贈与は「生計の資本」に当たるとされた。

②被相続人Aは、建築会社Bの代表取締役であり、Cから建物の改築を頼まれた。そこで、AはB社に200万円で建設をさせたが、Cは40万円しか払わず、残りの160万円はAがB社に支払ったという事案。
この場合、CはAから生計の資本として160万円の特別受益があるとされた。

③被相続人Aは、Bに対して約2年の間に「毎月2万円から25万円の送金をしていた」という事案。
遺産の総額やAの収入状況にもよるが、通常の会社員であれば「1月に10万円」を超える送金は生計資本としての贈与であるとされた。

第2.遺産は時価評価を基準に行う。

1.税務申告の基準(対税務署)
1)相続財産である土地は、路線価による評価
2)自宅の評価
3)広大地の評価

2.遺産分割の取扱い(対裁判所における遺産分割協議)
1)不動産=全て時価評価

2)自宅不動産=全て、時価評価(小規模空地の減税措置なし)
3)広大地=原則として、時価評価を行ない減税措置なし

3.時価評価の方法
1.)便宜上利用されている、簡易な評価方法:路線価×1.2
2)時価に争いがあるときは、裁判所が選任した鑑定人の評価に従う。

◎問題点
①鑑定費用が極めて高額
②鑑定人候補者を探し出し、その後、裁判所で宣誓を行なう必要があるため、約1ヶ月先と時間を要する。 etc.

※遺留分と遺留分減殺請求権について

◎生前贈与を受けた場合、その価額は遺留分から差引かれる。
1.遺留分とは?
①遺留分 =相続人から請求があれば、必ずその相続人に取得させなければならない遺産のこと。
②遺留分の割合 =
㋑ 自己の法定相続分の2分の1(民法1028条2号)
㋺ 但し、直系尊属だけが相続人になる場合:遺産総額の3分の1(民法1028条1号)
※「兄弟姉妹には遺留分はない」ことに留意。

2.遺留分算定の基礎となる「遺産総額」の算出方法(民法1029条以下)
遺留分を決める遺産総額の算出方法は、

(図1)

3.遺留分の計算

[事例]
被相続人Aには長男B及び次男Cと妻Dがいる。Aの遺産には、土地(時価5千万円)と甲会社の株式(時価1億円)及び現金・預金が5千万円ある(合計2億円)。この場合において、Aは「全財産をBに相続させる」旨の遺言を行なったとき、次男Cと妻Dの遺留分はいくらになるか。

1)Aが2億円の財産を遺して亡くなった場合、相続人全員の遺留分は遺産総額の2分の1である。そこで
2億円×2分の1=1億円(相続人全員の遺留分)

2)法定相続分が2分の1とされている妻Dの遺留分は、
1億円×2分の1=5千万円(妻Dの遺留分)

3)法定相続分が4分の1とされる次男Cの遺留分はそれぞれ
1億円×4分の1=2千5百万円(次男Cの遺留分)

以上

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法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)

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