木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講義レジュメ集「税理士の関与先で起こる 労働者からの残業代請求はこう対応しろ!! その2」(労働・雇用問題)不当な残業請求の対処法

木村峻郎先生講義レジェメ

テーマ「税理士の関与先で起こる 労働者からの残業代請求はこう対応しろ!! その2」
(労働・雇用問題)
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アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木 村 峻 郎

はじめに
労働者からの残業代支払請求の対応を誤れば、会社が窮状に市いることになりますので、その対応は極めて重要です。そこで未払残業代の支払問題について、前回に引き続きお話を致します。


第1.不当な残業請求は認めない!不正な残業請求の対処法

1.裁判における「残業時間」の認定
①原則=タイムカードに打刻された終業時刻を基準に計算する。
②但し、裁判では労働者の使用するパソコンのメール等からタイムカードに打刻された時刻の後も就業していたことが証明されると「その証明された時刻まで残業していた」という認定が為される場合が多い。
③得意先から直接帰宅する営業社員は、タイムカードに打刻しない場合が多いが、その場合の残業時間は、労働者の主張がそのまま通用してしまう場合少なくない。

2.不当な残業手当の支払請求を排除する方法。
1)「タイムカードの打刻は、就業後直ちに行う」ことを就業規則で規定したうえ、労働者に対する指示を徹底させる。
2)労働者個人が所有するパソコンを会社業務に使用させない。
3)営業社員に対し残業手当の支給に代えて、定額の「営業手当」を支給している場合には「当該営業手当が残業手当である」ことを、就業規則に明確に記載しておく。
4)セールス業務等、社外で仕事をする営業社員に対して「事業場外労働のみなし制」を採用し、残業代の支払を不要にする。
5)1ヶ月の残業時間数を予め一定時間と定め、会社は「労働者がその一定時間残業したもの」と取扱い、残業手当を支払うという方法を採用することができます。
6)税理士やデザイナー、インテリアコーディネーターや建築士等の専門業務に携わる労働者に対しては、専門業務型裁量労働制の採用を適用する。この制度を採用すると「実際上の労働時間には関係が無く、予め定めた時間働いたもの」とみなされる。従って成果の出ない労働者の残業手当の支給を軽減することができる。
例)
税理士事務所に勤務する或る税理士の勤務時間を9時間(残業1時間分加算)として「給料合計額を1ヶ月25万円」と定め実際の勤務時間如何に拘わらず「1ヶ月25万円の支払」をする。なお、成績が優秀な労働者は賞与の金額を増額する。
※法律事務所の場合「勤務弁護士」との契約を「委任契約とする」場合もある。仕事のスピードアップが図られた」という成果もある。

※①その他に変形労働時間やフレックスタイム制度も提案されてい るが、実際上その効果につき疑問視する意見が強い!!
※②営業手当の支払をしても、そのことにより残業代の支払に代えることは出来ない。
※③残業代を支払わない代わりに「給与を高額にしている」ので「残業代を支払わない」という反論は通用しない。
※④名ばかり管理職に対しては、残業手当の支払をしなければならない。

3.管理職の取扱
名ばかり管理職にならないポイント
①経営方針の協議・決定に際しては打ち合わせに参画し、部下に対する労務管理上の指揮権限を与える。
例:部下に有給をとらせるか否か、係長に許可権限を与える。
②出退勤について会社が厳格に規制せず、自己の勤務時間につきある程度の裁量を与えること。
③役職手当等を支給する。
④賞与は一般労働者(平社員)に比べて、優遇措置を講じる。
・関与先で「名ばかり管理職」がいないか否か、確認する。該当者がいたら、経営者に注意を促す。

第2.不良社員の上手な解雇法
経営者が感情的になり、いきなり「解雇」処分にすると、会社は裁判で敗訴する可能性が大となる。

1.就業規則に木目細かい罰則を予め規定し、漸時これを適用することが重要である。そこで、関与先に就業規則があるか否かをまず確認する必要がある。

2.日頃から勤務態度の悪い労働者に対しては、就業規則で定めた懲罰中、軽いものから重い処分へと、順次段階的に重い処分へと移行させる。そして、最終的に「懲戒解雇」を行う。

例)
労働者の不適切な勤務態度に対しては、以下の順に従い懲戒処分に付する。
①訓  戒=労働者に始末書を作成させ、戒める。

②減  給=減給できる金額は平均賃金の1日分の半額、総額が1ヶ月の賃金総額の10分の1の範囲で行う。

③出勤停止=7日以内の期間、出勤を停止し、その期間中の賃金は支払わない。

④降  格=職制の降職、解任

⑤懲戒解雇=予告期間を設けることなく即時解雇する。この場合において所轄労働基準監督署長の認定を受けたときは、予告手当(平均賃金の30日分)を支給しない。

3.不良労働者の違反行為等に対する注意・指導は、それが口頭で行わ れた場合でも、会社側の記録に必ず残すことが必要である。

4.重大な違反や、以前に行った注意と同じ内容を注意する場合には、必ず書面で行う。

5.厳重注意を受けた労働者に「反省文」、「始末書」を作成させる。

整理解雇の要件
1.人員整理を行う必要性が存在すること
会社の経営が危機状態にあり「人員整理の必要性がある」場合に認められる。

2.解雇を回避する努力をしたこと
役員報酬を削減し、或いは労働者の新規採用人員を減少(又は採用中止)し、更に「希望退職者を募集する」等、整理解雇を回避するために必要な経営努力を行なったことが必要である。そして、その様な努力をしてもなお「整理解雇をしなければならない」状況にあることが要件となる。

3.被解雇者の人選基準が不合理でないこと
客観的に合理的な人選基準を設定し、公平に適用する必要がある。なお、この場合「会社への貢献度、当該労働者が若年で解雇されても再就職することができる可能性が高い」という事情等も考慮することが許される。

4.労働者を納得させる努力をしたこと
解雇する労働者(労働組合が結成されているときは労働組合)に対し、整理解雇の必要性や人選の公正について説明し、労働者の納得を得るように努力したこと。

(PDF)木村峻郎講義レジェメ291026
(PDF)木村峻郎先生講義レジェメ291026

その3へ続く
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木村峻郎先生講義レジェメ(アイランド新宿法律事務所 代表弁護士)

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