木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

講義レジェメ紹介「民法第1回(平成28年度小塚勉強会講義)売買契約」

平成28年度に実施した(代々木オリンピックセンター,品川産業支援施設会議室にて)講義レジェメを紹介していきます。

テーマ 全く初めての人のための民法‐その1―

小塚勉強会 民法講義 第1回
講師 小塚征生

第1 売買契約
AはBから新築建物を代金2,000万円で購入し、その支払をして建物の引渡しを受けたが、天井から雨漏りがしており、その修理費用は金300万円を必要とするものであることが判明した。この場合以下の問いに答えて下さい。

1) AはBに修理費用300万円の支払を請求することが出来るか、その結論と理由を述べて下さい。

2) AはBから建物の引渡しを受ける前に、天井から雨漏りしていることを発見した。Aが未だ代金の支払をしていない場合、Bに対してどの様なことを主張することが出来るか、その結論と理由を述べて下さい。

3) AはBが修理をしないため、Bとの売買契約を解除したいと考えている。Aは Bとの売買契約を解除し、支払済みの代金の返還を請求することが出来るか、その結論と理由を述べて下さい。

< 参 考 条 文 >
①民法第555条
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

② 売主の暇庇担保責任 同第570条
売買の目的物に隠れた暇庇があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。
※民法566条は買主が損害賠償請求をすることが出来ることを定めている。またこの暇庇があるために買主が契約をした目的を達することが出来ないときは契約を解除することが出来る。

③ 債務不履行による損害賠償 同第415条
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき(履行遅滞・不完全履行)は、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったとき(履行不能・帰責事由)も、同様とする。
※本来は履行遅滞又は履行不能になったことが「債務者の責任」といえることが要件とされている。

④ 履行遅滞等による解除権 同第541条
当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。

第2 請負契約
AがBに工事代金3000万円で建物を建築して貰う契約をしたが、Bから引渡しを受ける前に天井から雨漏りしていたことが発覚した。なお、その修理費用は金 200万円である。この場合以下の問いに答えて下さい。

1) BがAに3000万円の工事代金の支払を請求した場合、Aは支払をしなければならないか否か、その結論と理由を述べて下さい。

2)前問において、仮にAが代金の支払を拒むことが出来るとした場合、その金額は代金3,000万円全額なのか。それとも修理に必要な200万円の範囲に限られるのか、その結論と理由を述べて下さい。

< 参 考 条 文 >
① 請負 同第632条
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

② 報酬の支払時期 同第633条
報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第624条第1項の規定を準用する。

③ 請負人の担保責任 同第634条
1.一仕事の目的物に暇庇があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その暇庇の修補を請求することができる。ただし、暇庇が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。
2.注文者は、暇庇の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第533条の規定を準用する。

④ 同時履行の抗弁 同第533条
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。

第3 賃貸借契約等
AはBから建物を1ケ月30万円で賃借し、レストランを経営している。ところが賃借した当該建物は雨漏りがするため、Aは1ケ月間レストランを休業している。 修理費用が金200万円の場合、以下の間いに答えて下さい。

1)当該雨漏りは建物を建築したY建築会社の手抜き工事によって生じたものであり、貸主Bには過失がなかった。この場合、AはBに対し、レストランを休業したことによる損害の賠償を請求することが出来るか、その結論と理由を述べて下さい。

2)AはBに対し建物の修理を請求したが、Bが修理をしてくれない場合、Aは自分で工事業者に依頼して修理したうえ、その修理費用200万円をBに請求することが出来るか、その結論と理由を述べて下さい。

3)雨漏りのためレストラン営業に支障を来したAは貸主Bに対し、賃料の全額または一部の支払を拒否することが出来るか、その結論と理由を述べて下さい。

< 参 考 条 文 >
① 債務不履行による損害賠償 同第415条
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。

② 賃貸物の修繕等 同第606条
1.賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。
2.賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。

③賃借人による費用の償還請求 同第608条 第1項
賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。

<第4 契約以外の債務負担>
AとYとの間には何らの契約がないにも拘わらず、Aが損害を被った場合、Y に対してその責任追及する民法の規定はあるか。あるとすればその規定を述べて下さい。

< 参 考 条 文 >
① 不法行為による損害賠償 同第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

② 不当利得の返還義務 同第703条
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。

③ 事務管理 同第697条
義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」いう。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。

④ 管理者Bによる本人Aに対する費用の償還請求等 同第702条
管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。

(PDF)小塚勉強会H28民法その1講義レジェメ法律監修アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)
(PDF)小塚勉強会H28民法その1法律監修アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

運営元:小塚勉強会(法律を勉強する会)
法律監修 アイランド新宿法律事務所(代表弁護士木村峻郎)

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