木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士監修:改正後民法 重要なポイント ”明文化されたもの”その1

木村 峻郎 先生監修:
民法改正

このたび、120年ぶりの「民法大改正」となりました。主に債権法の改正です。とくに、債権法前提の考え方が、「契約重視主義」と代わりました。
この流れに基づく、重要な変更箇所を「明文化されたもの」「変更・追記されたもの」に分けて、解説していきます。

(PDF)改正後民法条文-法務省

改正後民法 重要なポイント その1

”明文化されたもの”

(意思能力)について
解説※意思能力を有しない者が行った法律行為は無効であることが、明文化されました。

参考条文 改正後民法3条の2
第3条の2 (意思能力)法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
第93条ただし書「表意者の真意」を「その意思表示が表意者の真意ではないこと」に改める。
2 前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

(弁済)について
解説※債務者が債権者に債務を弁済した際、債権は消滅するということが明文化されました。

考条文 改正後民法473条
(弁済)
第473条 (弁済)債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは、その債権は、消滅する。
(預金又は貯金の口座に対する払込みによる弁済)
第477条 債権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによってする弁済は、債権者がその預金又は貯金に係る債権の債務者に対してその払込みに係る金額の払戻しを請求する権利を取得した時に、その効力を生ずる。

(契約自由の原則)について
解説※契約自由の原則が明文化されました。

参考条文 改正後民法521条
(契約の締結及び内容の自由)
第521条 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。
2 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。

(消費貸借)
解説※書面にて締結した諾成的消費貸借についても有効であることが明文化されました。

参考条文 改正後民法587条の2
(書面でする消費貸借等)
第587条の2 前条の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の物を
引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすること
を約することによって、その効力を生ずる。
2 書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。この場合において、貸主は、その契約の解除によって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。
3 書面でする消費貸借は、借主が貸主から金銭その他の物を受け取る前に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。
4 消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。

”変更・追記されたもの”

(消滅時効)
解説※業種毎に、異なる(消滅時効)の時効期間が定められていたものを原則以下の(1)(2)のいずれか早い方と変更されました。
(1) 債権者が権利行使できることを知った時から、5年(主観的起算点)
(2) 債権者が権利行使できる時から、10年(客観的起算点)
参考条文 改正後民法166条1項
(債権等の消滅時効)
第166条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
(1) 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
(2) 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。
(人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)
第167条 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第1項第2号の規
定の適用については、同号中「10年間」とあるのは、 「20年間」とする。
第168条第1項を次のように改める。
定期金の債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
(1) 債権者が定期金の債権から生ずる金銭その他の物の給付を目的とする各債権を行使することができることを知った時から十年間行使しないとき。
(2) 前号に規定する各債権を行使することができる時から20年間行使しないとき。
(判決で確定した権利の消滅時効)
第169条 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする。
2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

(法定利率)について
解説※5%の固定制とされていたものを、当初3%とした上で、3年毎の変動制と変更されました。

参考条文 改正後民法404条
第404条
2 法定利率は、年3パーセントとする。
3 前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、3年を1期とし、1期ごとに 、次項の規定により変動するものとする。
4 各期における法定利率は、この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)における基準割合と当期における基準割合との差に相当する割合( その割合に1パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を直近変動期における法定利率に加算し、又は減算した割合とする。
5 前項に規定する「基準割合」とは、法務省令で定めるところにより、各期の初日の属する年の6年前の年の一月から前々年の12月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が1年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を六十で除して計算した割合(その割合に0.1パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)として法務大臣が告示するものをいう。

その2へ続く

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