木村峻郎弁護士作成!講演レジェメ集:

木村峻郎弁護士作成!法律学習用講習会レジェメ(コンプライアンス)「役員・従業員が守るべき会社のコンプライアンス ~Part1~」従業員への責任追及への具体例

木村 峻郎 先生講習会レジェメ掲載中!
法律監修:アイランド新宿法律事務所(代表弁護士 木村 峻郎)
テーマ:「役員・従業員が守るべき会社のコンプライアンス~PartⅠ~」(コンプライアンス)
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「役員・従業員が守るべき会社のコンプライアンス~PartⅠ~」

平成28年4月7日
(注)上記日付の法令に基づいて、作成しております。
アイランド新宿法律事務所
代表弁護士 木村 峻郎

第1 法律問題の対応の仕方

1.会社業務に携わるときに、法律問題に遭遇することが多くあります。この場合、まず上司に報告し、その指示を仰ぐと共に、必要あるときは弁護士に早期に相談をすることが「後日のトラブルを防止する」「業績を上げる」ために絶対に必要です。

2.ところで、法律は「社会生活のルール・約束である」ため、自分で法律問題を判断するときは「まず社会のルールやマナーに違反していないかという視点」から考えれば、大半の問題は正解を出すことができます。近時「コンプライアンス(法令遵守)」ということが強調されておりますが「ルールを守る」ということに留意すれば、格別難しいことではありません。

第2 本日のテーマ

1.情報流出、漏洩の防止
※取引機会の奪取について 
    
2.金銭トラブルを原因とする犯罪の阻止
※反社会的勢力との関わりを持たないために!

第3 情報流出の防止

1.会社が保有する情報の種類
1)得意先データ等の顧客情報
2)会社の経理、営業等の内部機密情報
3)マイナンバー、その他の役員・従業員の個人情報         etc.

2.漏洩防止の必要性
上記の各情報は、会社にとって極めて重要な「財産」であるが、仮にその情報が外部に流出することになると、顧客や従業員のプライバシーの保護はもとより、会社の信用は損なわれ業務遂行にも重大な支障を来たすことになる。

3.情報漏洩における会社の損害
1)民事上の会社の責任
①賠償金の支払責任
②新聞等のマスコミに「謝罪広告」を掲載する。
③「顧客や取引先との契約の解消」による重大な損害。   etc.

2)違反者に対するペナルティ
①刑罰

例㋑個人情報保護法83条
    不正な利益を図る目的で提供又は盗用
→1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
   ㋺マイナンバー法48条
    漏洩者に対し4年以下の懲役・200万円以下の罰金
   ㋩不正競争防止法21条 懲役10年以下

②民事上の責任
   ㋑損害賠償支払義務
   ㋺懲戒解雇
   ※破産手続きにおける免責決定

4.従業員に対する責任追及の具体例
1)【不法行為者の民事責任・刑事責任】

①得意先が被った損害の賠償責任を負担する(民法709条)
②窃盗罪として懲役10年以下の刑(刑法235条)
③背任罪として懲役5年以下の刑(刑法第247条)
④不正競争防止法違反として懲役10年以下の刑(同法第21条)

2)【会社が賠償責任に応じた場合の従業員に対する責任】
甲会社が得意先の乙・丙・丁からの請求に応じて、損害の賠償をした場合、不法行為を行なった従業員Aに対して、得意先に代わって損害賠償を請求することができる。

5.【現状=毎年約1,000件の漏洩問題が発生】

※近年発覚した漏洩事件例
①ベネッセ個人情報流出事件(平成26年7月)
通信教育大手ベネッセコーポレーション社内IT事業者が、子供や保護者の氏名、住所、電話番号、性別、生年月日などデータベースの顧客情報を外部に持ち出し流出させた。この事件は流出した顧客情報が約2,895万件に及ぶ大規模なものである。
②平成28年3月29日、違法行為者に対し懲役3年6カ月、罰金300万円(求刑懲役5年、罰金300万円)の判決が言い渡された。

第4 利益相反行為「取引機会の奪取」について

1.取引機会の奪取とは?
従業員や会社が入手した取引情報を、自己又は第三者の利益に利用し、会社が当該取引することを困難にしてしまう行為である。この場合、会社が被る損害は実際上大であるため、違反者に対し損害賠償責任等、厳格な責任が追及される。
  
2.違反者に対するペナルティ

①背任罪…刑法247条(5年以下の懲役又は50万円以下の罰金)
②特別背任罪…会社法960条
(10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金、又はこれを併科)
③不正競争防止法21条
(10年以下の懲役若しくは2,000万円以下の罰金、又はこれを併科)

第5 金銭トラブルの防止

1.必要性=金銭トラブルが人生を狂わす大きな原因となっている
例)・従業員のサラ金、マチ金、ヤミ金などの金融業者からの借入
  ・悪質な風俗業者等からの請求

厳しい督促
   ↓
①会社の商品の持ち出しや架空販売等の違法行為
②情報流出によるリベートの取得
③横領行為、窃盗行為、背任行為等の犯罪に陥る    etc.

2.現状
①金銭トラブルの増加傾向
②原因=遊興、賭事等
例)㋑キャバクラ等における遊興
㋺競馬・競輪、スロットマシン等の賭博による負債の増大 etc.
                      
3.対策
①臆病になることが大事!
②賭事をしない
③過度の飲酒や遊興の危険性を認識
④反社会的勢力との付き合いの回避

第6 反社会的勢力との関わり防止
1.反社会的勢力とは
反社会的勢力とは、暴力団員がその典型的なものであるが、その他に「えせ右翼、えせ同和」等も反社会的勢力に該る。

2.反社会的勢力との関わり
①風俗営業
③賭博
④不正な利益供与

<参照条文>

刑法第247条(背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

会社法第960条(取締役等の特別背任罪)(抜粋)
次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、10年以下の懲役若しくは1万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1) 発起人
2) 設立時取締役又は設立時監査役
3) 取締役、会計参与、監査役又は執行役
4) 以下省略

不正競争防止法第21条(罰則)(抜粋)
次の各号のいずれかに該当する者は、10年以下の懲役若しくは2千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1) 省略
2) 省略
3) 営業秘密を保有者から示された者であって、不正の利益を得る目的で、又はその保有者に損害を加える目的で、その営業秘密の管理に係る任務に背き、次のいずれかに掲げる方法でその営業秘密を領得した者
イ) 省略
4) 省略
5) 営業秘密を保有者から示されたその役員(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。次号において同じ。)又は従業者であって、不正の利益を得る目的で、又はその保有者に損害を加える目的で、その営業秘密の管理に係る任務に背き、その営業秘密を使用し、又は開示した者(前号に掲げる者を除く。)
6) 省略
7) 省略
8) 省略

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)第48条
個人番号利用事務等又は第7条第1項若しくは第2項の規定による個人番号の指定若しくは通知、第8条第2項の規定による個人番号とすべき番号の生成若しくは通知若しくは第14条第2項の規定による機構保存本人確認情報の提供に関する事務に従事する者又は従事していた者が、正当な理由がないのに、その業務に関して取り扱った個人の秘密に属する事項が記録された特定個人情報ファイル(その全部又は一部を複製し、又は加工した特定個人情報ファイルを含む。)を提供したときは、4年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

以上

(PDF)木村峻郎先生作成講演レジェメ掲載中!!291107-3
(PDF)木村峻郎先生作成講義レジェメH291107-3

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